📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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📖第475話 ステファノに慣れたんじゃないか?
研究報告会は活気を帯びたものになった。
「盛り上がってるよな?」
「ああ。間違いない」
「その割に、騒ぎが少ないな?」
「そうだな」
トーマは講堂の客席で自分の疑念をサントスにぶつけていた。
緊張感と期待感、そして発表される内容に対する驚き。そういうものはしっかり存在する。
「何て言うか、みんな驚いて当たり前だと思っている感じ?」
「ステファノだからな。やって当たり前だと」
驚いてはいる。信じられない現象を見せられて、講堂を揺らすようなどよめきが起きる。
だが、芯の部分で冷静なのだ。
「ステファノに慣れたんじゃないか?」
「俺たちと一緒」
「あー、そういうこと? 『だって、ステファノだからな』っていう諦めみたいな?」
スールーが言う通り、あいつならこれくらいやるだろうという|前提《・・》ができてしまった。
言わば、一流マジシャンのイリュージョンを見せられるような。
……