📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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📖第466話 それはもちろんですが、狙いはそれだけではありません。
同時に撃ち出す火球、その数6発。「|叢雲《むらくも》」という名の通り、群れとなって重なるように標的に襲い掛かった。
その瞬間――。
標的を覆うイドが高速で流れ、火球の群れを左右に引き離した。火球は流れながら茜雲のように細長く引き延ばされた。
方向を変えられた火炎流は両隣の標的に襲い掛かり、まとわりつきながら勢いを弱め、やがて消えていった。
「これは……殴りかかった拳が、油で滑ったような」
|虹の王《ナーガ》の鱗が働くところを目の当たりにして、ドリーは唸った。
「そうですね。古代の拳闘士は全身に油を塗り込めたと聞きますが、結果は似ているかも」
ステファノが|虹の王《ナーガ》の鱗を編み出したのは、イドによる攻撃から身を守るためであった。だが、こうして見ると、魔術に対する防御としても効果があった。