📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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📖第422話 蜂蜜、白桃、サトウキビ! とろけて甘き『天降甘露』!
ブースにつくや否やトーマはポケットから小さな包みを取り出した。リボンのように捻ってある両端を解き、中に包まれたものを口に入れる。
それは黒糖と蜂蜜を煮詰めた飴玉だった。
(それがお前の工夫か、トーマ)
ステファノは口中で飴を転がすトーマをじっと見ていた。
(俺に才能なんかない。頼れるのはギフトただ1つだ。ギフトを活かすにはどうすれば良いか?)
トーマなりに考え抜いた結果が、この飴玉であった。
(甘い。甘いぞ! 飴玉、甘い! 俺の魔力はもっと甘い!)
魔核《マジコア》の練成を甘いと感じるギフト「天降甘露」。トーマはそれを利用して自己暗示を掛けた。
「甘い」という感覚に集中することにより、逆に魔核の密度を向上させようと言うのだ。
もしもヨシズミがそれを聞けば、「バイオフィードバック」という言葉を与えたであろう。目的のためになりふり構わぬトーマがたどり着いた、奥の手であった。