十三不塔さんから「磯の唄」にレビューをいただきました。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897179220/reviews/1177354054901891151質感と存在感のあるレビューに作品側がたじたじとなっています。本当にありがとうございます。
ふたごそれぞれの「自由」への着眼は、正直しっかりと考えていなかった部分で、そこに意識を払うことで娘の暴力性により深みが出るなと感じました。貝と貨幣のつながりも、面白いです。
さて、この物語はなぜアルマの体験談として語られているのか? というのは、核心をついたご質問です。作者であるわたしは長々と説明してしまいそうで、すごくウザい。むしろ弁明などないほうがいいのは明白ですが、お願いですので読み飛ばしてくださいと断りつつ、書いてしまうことにします。
この小説はフードの女が語りひらく内容がほぼすべてで、何十年も前に「終わった」その出来事に、アルマは何も関与していません。最初と最後の部分をとっぱらっても、物語は成立しそうです。
ただし作者としては、アルマは物語の転換点に配置したのでした。第4話において娘の狡猾さとねじれた情が語られることで、物語はそれまでと別の局面を見せるのですが、この最後の局面はアルマが質問を発したからこそ出てきた答えと考えています。そうした質問を「しそうなキャラクター」、つまり女の主体性と醜さに敏感であるような人物として、アルマというキャラを造形しました。
やはり面倒臭い作者語りになってしまいました、すみません。こっこの「強く儚い者たち」懐かしいです。あれからずいぶん時間も経ってしまったのですね。
流れるような文章のなかに、いろいろなことを考えさせていただくレビューでした。重ねてお礼申し上げます。
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8時間後追伸:しかしこの作品内では「XXという質問をしそう」な部分を全然書けていなかったなと気づきました……。