• 現代ファンタジー

大御所

 どうもご無沙汰しております。ランドリーの乾燥が足りておらず、湿った布団に耐えられなくなり、いっそ床に布団カバーだけを敷いて寝てやれい! と、そうして身体中痛くってよくよく眠られなかった莢か(さやか)です。
 みなさまご健勝のようで嬉しい限りです。私も頑張ります。地べたを這いずる蛇のようにひっそり頑張っているつもりです。

 長らくカクヨム様に入っていなかったため、いろいろと語りたいテーマはありますが(とくにカクヨム様のコピーサイトで盛り上がっていたなんて全然知りませんでした。びっくりしました!)、しかし、今回は「凄いなぁ、羨ましいなぁ」と思うことを。

 最近ドラマを見ていてつくづく思います。他人様に見せることを意識しているなぁと。それも大衆を意識しているなぁと。大衆のレベルに意識的に落として作られたものから、ある程度年齢層やターゲットを絞って製作されたものまで。改めて考えてみるとすごいことだなぁと、やっぱプロと呼ばれる方々は意識から違うなぁ、と思ってしまいます。
『#家族募集します』とか『ナイト・ドクター』とか単純に面白いですけど、中でも『准教授・高槻彰良の推察』と『漂着者』に最近心を打たれました。

『准教授』の方はやたらとわかり易い物語構造になっているなぁと最初の数話は探偵ぶって見ていたんですけど、図書館を舞台にした物語から急に本気を出してきた(牙を剥く、というか牙を見せつけられたって感じでしょうか?)なぁと思い、ちょっと驚きました。思えばそれまではどことなく使い古されたネタを取り扱っていたので、原作者様(それとも脚本家様?)は意識的にあえてそう見せてきたんだろうと、本気で見て欲しいところまではわざと実力をセーブしていたというか、ものを単純に構造化していたんだなぁと、そういう見せる手法もあるんだなぁと勉強になりました。

『漂着者』の方は終始異彩を放ってますね。現実との接点、時事的配慮はさることながら、エンタメに特化した作りは少々やりすぎかな、とも思わないでもないですが、個人的に好感を覚えます。とはいえ、同じ秋元康大先生原案の『あなたの番です』に比べると物語がふわふわしていて捉え所がない感じもしていたんですが……私の目はやはり節穴でした。
 
 思えば『あな番』はエンタメに振り切っただけのような印象がありましたが、最後の最後に思いがけない爆弾が用意されていました。テーマは「多様性」。多様性を容認・追求する社会においては当然、社会において不都合とされる方々のことも考えねばなりません。数多くの変人奇人(とはいえ、これは端から見たらという意味です)があのドラマには登場しましたが、それらを許容するなかで絶対に避けられないのが「犯罪者」の立場です。ドラマの最後で「犯人」の手紙の内容が放送された時、心底ゾッとしました。ドラマとしてだけでなく、これは当然社会の中で論じられなければならないことです。
『漂着者』は荒唐無稽な超能力がテーマになっているように思えますが、表のテーマはそうでも、裏のテーマは相当複雑、というか「タブー」に切り込んでいるというのか、最終回を目前に控えてほんとにとんでもないテーマを用いているなぁと端から見ていて冷汗が出る思いです。ほんと、どこまで具体的に描くつもりなんだろう。
 工作船。誘拐。亡国の陰謀、暗躍する工作員が全員日本人にしか見えない、などなど。面に見えているものは目眩しに過ぎないというか、むしろありのままに見るととんでもないというか、これらの意味することを考えると、自ずと日本とあの国との関係において絶対に切り離せない根深い歴史問題(国家主導の犯罪被害というべきか?)がダブってしまって、それをこんな風に映像化、エンタメ化するなんて、「秋元先生!」とついつい悲鳴をあげたくなります。『漂着者』はエンタメというより、裏側はヤバい作品かもしれません。全部憶測なのでまったく違うかもしれませんが。
 
 一介の脚本家風情がいきなりこういうことをやるとバッシングも必至なのではないかと。むしろやらせてもらえないでしょうが。でも、こういう立場にまで登らねばできないことがあると思うと素直に羨ましい。まぁ、一介の物書き風情でもやろうと思えばできることでしょうけど、雑音が吹き抜けるのと一緒で、意識されないか、目の敵にされるか、そういうものであるだけで。はぁ。

 ……とと。まだまだ書きたいことがあったんですが、思いの外長くなってしまいましたので、今回の妙な論考はここまでに。

 さて、今月はほとんど『MB』更新しませんでしたが、というより今月はもう更新しないと思います。代わりにこれまた今更載せるには微妙な『コロナワクチン体験記』(タイトルは違うかも)を載せようと思っております。
 ただの体験記にしてもつまらないので、小説(フィクション)を織り交ぜまして、そうして出来上がったものが何というか奇怪というか、異界入りの品というか、とにかく妙なものになってしまいました。ただし、真面目に書きました。フィクションも体験記(ノンフィクション)も真摯に書きました。
 とはいえ、私の思うユーモアは他人様の不興を買いかねないことを自覚しているので、細かくセクション分けして投稿する予定です。コメディとして付記した小説に対して笑って見過ごす自信のない方は体験記だけを読んでいただけると幸いです。
 まぁ、そもそも興味を持つ方がいないかもだけど……(笑)

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