令和短編アンソロジー用に書き下ろした小説『平和都のテンセイレイ』。
(
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889412257 )
文字数の都合で削った裏設定をこの場を借りて載せさせていただきます。
※ネタバレ注意!
セレイアル
本名は「天」を意味するセレスティアル。そこから「ステ(捨て)」を取って(つまり「捨てない」「見捨てない」)、セレイアルと名乗った。
その正体は死神ではなく天精霊。簡単に言うと天使のような存在であり、彼女の目的は最初から和都を社会復帰させることだった。
なので彼が延命を望むことは最初から折り込み済みだった(最後に「定時帰宅がモットー」と言っていたことから、任務完了期限は五月一日だったことが伺える)。
というのも彼女は天界に存在するポート・ユートピア(平和都)の役人であり、道に迷った人間を導くのが仕事である。よって死神業を行うことは稀。
公私混同はしない主義で帰宅は必ず定時。尻を叩いてやる気を出させるタイプなため、蔑称で呼ぶことが多い。死神に扮していたのも彼女の厳しい性格ゆえである。最後の最後でようやく和都の名前を呼んだ。
平和都(たいらかずと)
セレイアルが精霊(成、令)なので残りの文字から平和が入るように名付けた。
最後の一文字はタイトルだけだと全く意味がわからないようにするため、平和都(へいわみやこ)という形に。
ちなみにこの話は平和都(へいわみやこ)の天精霊の話なのでそういう読み方でも全く問題なかったりする。
実際は三月三一日に死ぬことは決定していなかったが、遅かれ早かれ不摂生で身を滅ぼす運命に変わりはなかった。
セレイアルによって生まれ変わっていなかったら、おそらく改元を迎える前に死んでいたであろう。
以上のことからわかるように『平和都のテンセイレイ』は『平和都(へいわみやこ)の天精霊』と『平和都(たいらかずと)の転生令』の掛詞。
本編で語られるのは転生令としての方のみ。