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過去作のあれこれ⑤

うおー!今回は『純愛じゃなくたっていいじゃない!』について話まああす!!

みたいなノリで書いたのが今回触れていく作品です。
あらすじとしては、女の子が好きな女の子が可愛い女の子に一目惚れしてアプローチしまくるけどヘンタイと一蹴されまくってしまうみたいな話です。
たしか初めて書いた百合作品だったと思います。懐かしい。まだPCがなくて、スマホのメモ帳で執筆してたときです。会社の休憩室で黙々と書いてたのを今でも覚えています。
ただ、投稿したのは「明かりを消して、ごめんと言った」が先でした。当時はそもそもwebサイトに投稿するという手段すら頭になかったので、落書きみたいな感じで書いてました。
余談なんですが、私が小説を書こうと思って、本当の本当に最初に書いたのは異世界転生ものでした。とはいっても字数にすれば3万にも満たないぐらいなんですけど。
なんか最強のスキルを手に入れて仲間を増やしてなんやかんやしてたと思います。
ただそれでも二千文字書くのも大変でした。絞り出すものがなかったんでしょうね。
当時は小説なんてさっぱり読んだことがなかったので書き方も独学でしたし。

話が逸れちゃいました。そんなこんなでそういう試行錯誤を繰り返すうちに産まれた作品の一つである純愛~ですが、作風は私の作品の中だと少しハイテンション気味なものとなってます。
これは当時薬に手を出していたからとかそういうんじゃなくて、自分なりに意識してやっていたことでした。
創作論みたいになっちゃうんですけど

『ホームランを打った』

を小説の形にすると二通りあって

①「芯に触れた瞬間、抵抗はなかった。手に込めた力、それから野球に込めた思い。それらを乗せてボールは飛んでいく。届け、届け。割れんばかりの声援が沸き上がるなか、僕だけは無言のままスタンドの向こうへと消えていく白球を見送った」

②「――当たった! 手応えはある、ボールの勢いもある! 入れ、入れー!! ありったけの声援を受けたボールは、そのままスタンドへと消えていった」
 
みたいな感じになると思うんですけど。
「小説としては、①のほうが情緒があっていいですね。余韻もありますし、順序だって想像をかきたてられる小説ならではの楽しみ方に適した文章だと思います。
ただ、読みやすいかどうかで言われると、読みにくいです。
読み漏らしのないように、物語に入り込んで読めばきっといいんでしょうけど、それって結局、読む方が読もうとして読んでいるだけなんですよね。
疲れた日とか、休み時間とか、帰りの電車の中とか、そういう場所で本を読むとき、あんまり小難しい文章が続くと疲れちゃうと思うし、休憩時間もうじき終わるな電車もう駅に着くな、とかそういうことを考えながらだと余計大変だと思います。
そうするとどうでしょうか、②のほうが読みやすくないですか?
想像力を使う必要もないですし、小説というよりは漫画やアニメを見ているような気分になると思います。要は、読む人にエネルギーを使わせない文章なんです。」

と、ここまで淡々と書きましたが

「どうでしょうか!って、私の勝手な創作論になっちゃうんですけど。・・・・・・需要あるのかなこれ。ううん、需要なくても聞いてもらいます!
①はなんか部屋でじっくり読むのはいいけど外でさくっと読むのはなぁ、って感じ。②だったらかるーく読めるし、私は好きです!
前に友達の車に乗ってるときにね? バラードを流してもらったんだけど、良い曲なのはわかるんだけど、車の中だったからか全然聞き入れなかったんだー。ドライブ中はアップテンポな曲流してくれー頼むー!あとレゲエもやめて!どういうテンションで聴けばいいの!?
そう考えるとやっぱり、家でも車でも聴けるアイドルソングとかが私は好きかなー。
文章もそんな感じなのかも。・・・・・・奥深い!」

こんな感じだとサクサク読めませんか?最初の説明はごちゃごちゃしててなんか小難しいこと言ってるわ、ってなって読み飛ばしちゃいませんか?読み飛ばさなかった人は、読み入ってくれているんだと思います。今頃自室でゆったりしている頃でしょうか。

とまあそんな感じで、作風というものにもしっかり役割がありまして
「じっくり読むもの」と「さっくり読むもの」って感じですかね。

で、本作の純愛~はさっくり読むものを意識しました。
ただ意識したってだけの話で、実践できていたかどうかは分かりません。
近況ノートで時々話す創作論なんですけど、これは私個人の考えなので当然作家さん全てが行っているものではありません。それから、私も全然できていない部分もあります。そこだけご容赦ください、

ただハイテンションを保つのも大変でした。辛いことがあってもはっちゃけていないといけないのは、ホントに大変。途中こんな風には笑えないよって思いながら「わははー!」って書いてました。

主人公の珠樹ちゃんはとんでもないヘンタイという感じで、物語は進んでいきます。私の作品の中でもかなり尖った主人公になったかなと今になって思います。
珠樹ちゃんは女の子の鎖骨が好きみたいで、ヒロインのひよりちゃんの鎖骨に恋をします。
ココ重要なとこでしたね。
物語後半で珠樹ちゃんの記憶障害が判明しますが、思い出を共有していた仲、とかだったら忘れた時点で終わりだと思います。でも珠樹ちゃんはひよちちゃんの鎖骨、要は外見を好きだっただけなので記憶をなくしてもひよりちゃんを見るたびに一目惚れします。ヘンタイのなせる技ですね。
好きっていろんな形がありますけど、外見だけ好きでもいいんじゃないかなと、そんな思いを込めて本作を書き上げました。

中盤のひよりちゃん視点に変わるところなんですけど、中盤に近づくにつれ珠樹ちゃんの言動に違和感が現れ始めて、「おや?」となったところで視点変更。どういうことなんだろうとちょっと目をこらして見ちゃう、ような工夫を凝らしてみました。うまいこと出来ていたら昔の自分を褒めてあげたいです。

割とラブコメ路線で進んでいたところでシリアス、でもやっぱり主人公はヘンタイなのでラブコメ路線。シリアスをラブコメで殴打するという構成の本作ですが、アイデア自体はよかったのかなーと思います。あとはもっと文章力があればもう少し上手く書き上げられたのかな。
最後ちょっと駆け足になっちゃったし、そこだけちょっと後悔してます。けど、そこは次回作に活かせたので失敗もまたヨシとしましょう。

ところでこの純愛~は、あんまりこういうの言っていいものなのかわかんないんですけど、ぶっちゃけエタってました。
長編を書き上げないで途中で放置したのはこれが初めてでした。初犯です。許してください。
多分半年くらい、更新止まったままでした。
理由は当時二次創作にハマっていてそっちに現を抜かしていたこと。それから展開が思い浮かばなかったことから、書くのをやめてしまいました。

正直そのときは私も落書きみたいな感じでこのサイトに投稿していたので、どうせ誰も見てないしな、と思ってました。

ただ、もう一度着手して完結までいったとき、読者の方が「完結まで書いてくれてありがとうございます」と言ってくださったんです。
いや読んでくれてる人いました。ビックリしました。
でも嬉しかったです。完結させてよかったー!と思いました。

ぶっちゃけ今も放置してる作品めっちゃあります。続きが思い浮かばなかったり、読んでくれている人が少なくて落ち込んだりとかで非公開にした作品も2,3個あります。
自分勝手な理由なんですけどね。読んでくれていた人には本当に申し訳ないんですけど、よりよい作品にできるようちょこちょこ推敲してるので許してください。必ず書き上げます。かき揚げ。
そのうちの一つは今年中に完結させようと思ってます。ツンデレと漫画書くやつです。

現在は公募向けにラブコメ書いてます。普段はドロドロしたり、ネチャネチャした恋愛ものを書くことが多いんですけど、ラブコメもまた楽しいです。

自分の向いてる作風ってなんだろうって考えるときがあるんですけど、もしかしたらコメディ寄りのほうが向いてるのかもしれないです。
人間の感情を描いたり、成長を描いたり、そういうのってそれ相応の文章力が必要だと思うんです。私にはそういう文章力みたいなのがさっぱりないのでこれまで誤魔化したりしてたんですけど、そろそろ自分の作風を見つけたほうがいいのかもしれません。

公募落ちたらこっちにも載せると思うので、そのときは読んでくれると嬉しいです。アンタラブコメの方が面白いよ、って言ってくれたら舵を切ると思います。

・・・・・・表現力なら自信あるんですけどね。ただ表現力しかないと文中に「ような」とか「まるで」ばっかりになっちゃうんですよね。自分の作品見返すとめっちゃなんかにたとえて表現してて笑っちゃいます。

これからも課題はたくさんありそうですが、いっぱい成長して楽しくて面白くて、読んでよかったって思えるような作品を書けるように頑張ります。もう落書きからは卒業したので。

そんなわけで今回は文章力がなくたっていいじゃない!でした次回もお楽しみに。



好きなシーンを抜粋して終わります。
このシーンほんとすき


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 世間から見て、あたし達の生き方はきっと間違っている。外れている。ズレている。破綻している。理解できない。頭がおかしい。狂気じみている。変人。異常者。

 そうかもね。

 けど、いいのだ。

 純愛じゃなくったって、あたしはこうして幸せでいられる。

 それならそれで、いいじゃないか。

 どれだけ捻じ曲がった生き方だとしても、どれだけ歪んだ道だとしても。

 こうして大好きな人の手と繋がっていれば。

 ほら。

 真っ直ぐだ。


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1件のコメント

  • ネット小説の多くは短い区切りでの投稿ですから漫画に近い傾向がありますよね。短い文章で読者をひきつける必要がある以上は細かい描写よりも印象の強さになってしまうということでしょうか。
     自分の場合は短い文章なら画面で読めるのですが、長い小説や新書などは活字じゃないと読めないタイプです。
    媒体・需要によって作風も変化が必要になるのかもしれません。
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