バレンタインの前日にチョコを作ろうと思いスーパーに寄ったのですが、いつも使ってるガーナのミルクチョコレートが売り切れだったのでブラックの方を買ったら全然勝手が違って大失敗しました。
トリュフになれなかった黒い塊は、無事私の胃の中に収まっています。
何もかもが上手くいかないときってありますよね。
昨日あんなことがあったのに、今はこんなことで悩んでいるのに、また悲しいことがあって。それは理不尽なことだったり、確実な自分のミスだったり。
そういうときってなんで自分だけこんな目に合うんだろうって、私はよく思います。
他人より劣っている。他人から愛されない。他人より不幸な人生を送ってる。
幸せそうに生きている人をいいなーって思ったり、才能のある人を妬んだり、ちやほやされている人を見て嫉妬したり。
人には言いませんけどね、絶対。自分の中で沸騰させて、やきもきして。
俗に言う病むというやつなのかもしれませんが、こういう時期は年に数回やってきます。
昔からこういうとき、どういう感情でいればいいんだろうって悩んでました。
他人に当たると気持ちいいし、皮肉めいた愚痴をこぼすとなんだか楽になる。自分が手に入れられなかったものを「別にいらないし」って強がって手放すと諦めがついて肩の力が抜ける。
でも、なんか違うなー。性格悪いなー、性格悪くなりたくないなー。
そんなときに書いたのが
『わたしはあくまで人間です』という作品です。
前置きが長くてすみません。私はこういう人間なんです。生きてる価値もないです。ごめんなさい。
そういうネガティブな気分のまま書きました。
主人公である「ざくろ」は、人より体が弱く、仕事などが長引くと体が辛くなるのが悩みでした。
辛いから帰らせてもらいたい。ざくろがそう言うと、上司はこう返します。
「こっちだって辛いんだよ!」
いますよね。
こういう、不調マウントをとってくる人。
体のつくりは一人一人違うのに、何故か他人を自分と同じスタート地点に並べて物事を考える人。
ざくろは上司に怒られて、結局最後まで残って、家に帰ったら付き合っていた彼女に書き置きを残されてフラれる。
なーんにも上手くいかない日。
次の日は自分が担当していない仕事なのに、自分のせいにされて怒られたりします。それから高校時代の友達の成功や出世を目にして、自分に対しての自信を失います。
劣等感、疎外感。
そんなようなものを抱えて、ざくろは気付けば道路に飛び出していました。
冒頭は、そんな感じで進みます。
それからそのあと、サキュバスであるサレアと出会うんですが、なんでサキュバスなのかというと、私がサキュバスが好きだからです。
サキュバスってエッチじゃないですか。あと、ぼんきゅっぼんです(偏見)
でも本作のサレアは、幼い見た目の設定です。
サレアは絵本の世界に憧れていた子なので、幼いほうが似合うかなと思ったんです。
サレアはざくろと違って、自分に対する確固たる自信があるキャラクターです。自分はこう生きると決めた。だから他人になんと言われようと気にしない。それで自分を曲げるくらいなら「死んだほうがマシ」だ。
自ら死を選ぼうとしたざくろとは対照的なキャラですね。
小説の書き方! みたいなサイトを見て勉強してたら、対照的なキャラを用意するといいよって書いてあったので、早速実践してみた次第です。
ちなみにこの作品は、出だしを書いてすぐにカクヨムに投稿したので、中盤から終盤までの構想はさっぱりありませんでした。
ネガティブな気持ちを吐き出しながら、このままネガティブのままならバッドエンドにして、ポジティブになったらハッピーエンドにしようって思いながら書いてました。
で、途中でポジティブな気分になったのでハッピーエンドになりました。
余韻というか、踏み出したざくろの話を多めに書きたかったので、エピローグは割と長めにしました。いつもエピローグを短めにしちゃう癖があったので、本作は気をつけました。
病みながら書いている途中、「世界はクソだけど、自分だけは嫌いになりたくないな」という思想がぽっと浮かんできました。別に前から持っていたわけじゃないし、これを伝えたくて作品を書いたというわけじゃありません。
ただ、自分を信じて生きるサレアと自分を信じられずに泣きながら生きるざくろを見ていたらそんな風に思ったんです。
私は今でもしょっちゅう病みます。
人の数倍のストレスを抱えて生きていると思います。おかげで毎日お腹が痛いです。動悸と息切れもすごいです。他人の顔色ばっかり伺って生きてます。人とすれ違うと吐きそうになります。後ろに立たれると冷や汗が出ます。風邪を引くと長引きます。疲れが溜まるとすぐむくれるし口内炎ができます。多分普通の人より早く死にます。
明日のことを考えると緊張で眠れなくなります。
そういう夜は、布団から出て小説を書きます。
そんな自分が私は大好きです。
深夜に飛び起きて、衝動のままキーボードを叩く自分が大好きです。カッコいいって思います。
病むのは仕方ないです。
でも、世界を愛したり、他人を理解しようとしたり無理に好こうとしなくていいです。周りが正しいと思い込む必要もないと思います。
嫌いなものは嫌いだし理解できないものは理解できません。
でも、自分のことは簡単に好きになれると思います。
誰もが文章を読めるわけではありません。活字が苦手だという人もたくさんいます。
だからここまで私の近況ノートを読んでくださったあなたは、すごい人です。このご時世には珍しい、文章から人の感情を読み取り自分の中で咀嚼できる人です。
感受性が豊かな人です。きっとこれまでたくさんの作品に触れて感情を養ってきたんでしょう。
あなたは現代では貴重な存在です。誇っていいです。
人にはすごいところなんかたくさんあります。
他人に合わせて気遣うのなんて、自分のことを好きになってからでいいと思います。
自分のことを好きになって、心に余裕ができたら、他人を気遣ってあげましょう。そうしたらその人も、ちょっと気が楽になるかもしれないですからね。
支え合って生きていくなんて損な生き方したくはないですけど、自分の心の均衡を守るために誰かに優しくするくらいは、してもいいかもしれません。
性格悪いなー・・・・・・
そんなわけで、作品の振り返り&雑談でした。
要はこんな感じのことを伝えたくって、でもこんなの急に喋り始めたらお気持ち表名の痛いやつか、偉そうに説教するめんどくさいやつなので、作品を通じて伝えられていたら嬉しいです。
私は今も全然病んでますし、コップに安定剤を浮かべてタピオカみたいに飲んでます。毎日緊張とストレスで死にそうです。
でも自分のことは大好きです。
ちなみに、本作には結構イヤーな人たちが登場します。
イヤーなシチュエーションとイヤーな厭味。
私が一番嫌いなのは「話し合わなきゃいけない状況なのに声の大きさと口数の多さだけで押し切られる状況」です。そういうことをしてくる人って太った人が多いです。ハハハハハ!
性格悪いなー・・・・・・
でも、小説でくらい愚痴ったっていいよね♡
怖くて誰かに言えないことも言えるのが小説だから、いいんです。
そういう、嫌な性格の人間が勝手に病んでるときに書いた作品が
『わたしはあくまで人間です』です。
ですです。
イメージダウンしちゃったかな。
ああ、言わなきゃよかったかな。
失言だ・・・・・・。
取り消したい・・・・・・。
全部リセットしたい・・・・・・。
アカウント消そう・・・・・・。
いい性格の人間になりたい・・・・・・。
劣等感・・・・・・・
劣等上等好き。
そういえば新作投稿しました。久々に書いたラブコメなんですけど、やっぱり展開とか文体とか、慣れるまで時間がかかると思います。
いつか明るく楽しい作品が書けるように頑張るので、応援していただけると嬉しいです。
暗い作品はいつでも書けます!
それから、『魚は猫で釣る。』の続きも書いたので、ちょっとずつ更新していこうかなと思います。
なんでか非公開になってるんですけど、当時の私が何を考えていたのか本当に分かりません。なんかに応募しようとしたのかな? なんか書き直したくて一回非公開にしたような気もしますが思い出せません。
でも猫さんと魚さんの絡みは書いてて楽しいので、ちょこちょこ書いていこうと思います。土日だけ更新してく感じになるかもです。それまでは今のラブコメのほうを頑張ります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後は『わたしはあくまで人間です』のお気に入りシーンを抜粋して終わろうと思います。
それでは!
*
「あたしだって普通の恋愛がしたかった。知らない人の命なんて、注ぎ込んで欲しくなかった」
「子供のような我が儘を」
「我が儘? 本当にそう? 窮屈な道筋に圧迫された固い意志は、あんた達が生んだんだよ?」
「自分の罪を顧みることのできない弱者の、戯れ言だ」
「偏見という大雑把な表紙に帯をつけたのはあんたたちだ。分かり合うことなんてできない。目に見えるグループの中に存在する意見の多さを正解、常識という世界がある限り、どうせ話し合いなんてできやしない。だからあたしたちは殺して、殺されるしかないんだよ」
サレアの声色は地を這うように低い。
突き出した手を、ゆっくりと閉じていくと、男はベキベキと、体の形を変える。
「殺し合うしか、ないんだ」
「・・・・・・ああ、そうなのかもしれない」
「同じこの世界で、一生」
「だが、正しいのは我々だ」
「大多数のどちらに傾いていたかってだけの話だよ。この世界にあたしの方が多ければ、間違っているのはあんた達だ」
「暴論だな」
「そういうくだらないものでできているんだよ。だから、相容れなくて、互いに何かを押しつぶすように、牙を剥き殺意を放つ」
「そうして、勝ったのは貴様というわけか」
「最初に言ったでしょ。あたしの方が強いんだから。魔王の娘に、勝てるわけないじゃん」
「亡きお父様も、喜んでいらっしゃるだろう。これだけの強靱な力を受け継いでいるのなら」
「本当、お堅いね。そういうところ、昔から窮屈そうだなって見てた。あのさ、今ならまだ間に合うよ。あたしに殺されたくなかったら、見逃してよ」
「無理な相談だ。もう一度言う。貴様は間違っている。悪魔として生まれ、サッキュバスとして生まれ、それなのに義務を放棄した貴様は裏切り者だ。反逆者だ。異端生物以外のなにものでもない」
「殺されそうだっていうのに、活きが良いね」
「これは譲れない。正しいのは我々だ。貴様だって、もっと柔軟に、生きることができたはずだ。選択肢はあったはずだ。悲しくても、苦しくても、気持ち悪くても、意に反していても、自分を押し殺し、みなと同じように生きれば、これほど多くの刃を向けられることもなかった」
「違う。これはあたしの意思だ。あんた達の聞き分けさえよければいいのに、あんた達は頑なに耳を貸そうとはしなかった。なにかあるごとに異端生物を否定した。もっとわかり合えたはずだ。もっと話し合えたはずだ」
「間違っているのは貴様だ」
「間違っているのはあんた達だ」
「――殺してやる」