『この夏の星を見る』(辻村深月 作)を毎日少しずつ読んでいました。
p296まで読んで、図書館への返却期限が来てしまいました。><。。。痛恨。返却日がもっと先だと思ってたら、今日でした。あわてて返しに行きました。
この作品、めちゃくちゃいいです。読んでいると、コロナ禍の始まりから、自粛生活まっただ中の日々を思い出しました。読み始めてすぐ涙が溢れてきました。
そして、あの日々に感じたこと、思ったこと、考えたこと、それを自分はもっと書き残すべきだったのではないか、そんな気もしました。
私は、コロナ禍まっただ中に書いたものにも、一切、コロナのことは書きませんでした。あえてそうしたのです。
あの頃、それまでに当たり前だった、人と人の関わり方や日常がまるで変わってしまって、それがいつ終わるともしれず、もしかしたら、このまま、コロナ前の、当たり前の日常や、人との接触や、関わり方。そういったものを、忘れてしまうんじゃないか、忘れられてしまうんじゃないか。
そんなことを少し思ったりしていました。
普通の日常がどんなものか、忘れたくないと思って、あえて、コロナを意識しないようにして書いていたのです。
ごく普通の日常を忘れないために。ごく普通の気持ちでいるために。
それでも、今、その当時の気持ちや日常を丁寧に描いている作品を読むと、あの頃の自分の気持ちもよみがえってきて、胸にしみます。涙があふれます。
思っていた以上に、自分の中に、あの頃の思いが刻み込まれていることに気がつきます。
もしかしたら、自分は、あのときの自分の心に刻まれたものを、残しておくべきだったのかもしれない、と。
でも、あえて、書かずにいたこと、後悔してはいないのです。
登場人物たちには、普通にのびのびと生きていてほしくて。
今日もくしゃみに悩まされつつ。