久しぶりだ。夜空を見上げるのは。オリオン座がきれいに、昔と同じ姿で、そこにある。夜空をゆっくり見上げたのは、何年ぶりだろう。うす暗い夜道にひとり、ぼ~っと立っている着ぶくれた人物。さぞ怪しくみえるだろう。
そのせいか車もバイクもあっという間に通り過ぎて行く。
高校生の頃、部活の仲間と一緒に地面にシートを敷いて、寝転がって見たのを思い出す。なぜか私の見ている空には、めったに流れず、キョロキョロしてると、さっき見ていた空に流れたりして。
今、ひとりで地面に寝転がっていると、不審な物体がころがっている、と通報されかねないと思うので、立ったまま眺める。首が痛い。もう帰ろう。
結局、1コも見られないまま、家に帰ったけれど、久しぶりの星空はとてもきれいで、心は高校生の頃に戻ったようだった。