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読者の望む都合のいい展開

みなさんこんにちは。

ハマーです。



前回の近況ノートでは、初めてコメントをいただきました。
(コメントの通知がくることを知った顔


まずはコメントをいただきありがとうございます。


今後も、ハマーが考える創作論もどきのような何かを近況ノートで発信していきますので、それが皆様の創作の一助になれば幸いです。


ちなみに僕は自分の思考の整理のために頭の中身を言語化しているだけなので、これを創作論という位置づけにはしないようにしています。

頭の中でふわっと考えていることを文字に起こすのは、
大事なことだと思うからです。

僕らは小説を書いているため、日常的にそれを行なっているので忘れがちですが、作品の中身ではなく、自分の小説に対する考え方を言語化してみるのはいい勉強になると思うのです。

なのでハマーの近況ノートを読んでくれた皆さんも、『へーこの人はこういう考えで書いてるのかー』くらいの感覚で読んでいただけたらと思います。


さて前置きが長くなりました。


今回の本題に入りましょう。



以前の近況ノートでリアリティラインの話をしました。

そこで読者を納得させることが必要だと書きました。


しかしこの話を深掘りすると、実は読者を納得させなくていいこともあります。


例えば、ライトノベルでは、高校生の主人公の両親が二人とも海外に行っていて不在、一人暮らしである。というような設定がしばしば見られます。

これはヒロインの設定にも多く見られるものですね。


高校生でも一人暮らしをしている人はいるでしょう。

しかし、わざわざ両親が海外に行っている設定を作る。

正直、ここまでくるとあまり現実感がありません。
(現代日本が舞台の前提


さて、皆さんはこの設定を見て冷めることがあるでしょうか。

僕は冷めなかったです。


都合がいい展開にも関わらず、読者が冷めることがない。

これはおいおいとツッコミを入れられる程度で、
受け入れられる範囲の都合のよさなわけです。


これに類似する展開として、
・商店街の福引きで旅行のタダ券が手に入る
・変なタイミングで主人公のクラスに転入生がやってくる

パッと思いつくのが上記の二つでしたが、もっとあると思います。


これらは大した理由づけもないのに、
読者が気にならない都合のいい展開です。

このほとんどが導入で使用されるテンプレートであり、
序盤の展開を円滑に進めるために用いられます。


そしてなぜ、その理由が気にならないかといえば、
物語の主眼がそこに置かれていないからだと思います。


最初の両親の設定でいえば
ヒロインが毎回家に訪ねてくる度に両親が出かけていることを描写するのは逆にくどくなってしまうことでしょう。
最初に海外に行っていて不在だと書いておけば、後に両親の描写をする必要はなく
主人公の家をヒロインの溜まり場にすることも可能なわけです。


福引きの話でいえば
読者が気にするのは、旅行先で起こるヒロインとのイベントであり
いつもとは違う特別な場所での急接近なわけです。
そのための福引きのシーンなど見開き1ページあれば足りるわけです。
(圧倒的サクサク導入


ヒロインが転校してきて偶然同じクラスになるのは
そもそもヒロインという存在は主人公と関わることで物語が動くわけなので
主人公と離す理由がない場合、意図して年齢を離して別学年にしている場合を
除いて、主人公と同じクラスにしたほうが都合がいいわけです。

逆に都合のいい展開を読者も望んでいるというわけですね。

この作品で描きたいものはどこなのか。

それを見極めた上で都合のいい展開を使うことは
描きたい部分に向けてお話を円滑に進めるのに有効な手段です。



ご都合展開が受け入れられる場所、受け入れられない場所を見極め、
ストーリーを円滑に進められることを祈ります。



というわけで。

今回は読者の望む都合のいい展開というお話でした〜。



ではでは。

今日はこの辺で。

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