あけましておめでとうございます。
旧年中、皆様には大変お世話になりました。
ここまでのおさらいをちょっとしますと、一昨年の六月以降完全に終わってしまい、ほとんどカクヨム上では活動をせず、おおむねツイッターでvtuberとアニメを愛で、週末にチキンカツを2kg食べるのをメインにやっていました。
その間も書いていなかったわけではなく、面白いことを思いついて書こうとしては、プロットが永遠に立て終わらないということを繰り返していました。長編でも短編でも、脳の中では描いたシーンと言葉が溢れ出しそうなのに少しもかみ合わず、またそれを組み立てたところで他人に理解してもらえる論理性があるのか自分ではわからない。いや自分は自分の言いたいことや面白さを正しく理解しているのか、そもそも本当はそんなもの無いんじゃないのか……恐ろしくて身動きが取れない。
こうして何もできなくなる。これは、孟子が唱えて中島敦が引用した狼の疾です。
以前取り組んでいた『ダンジョンでうちが待っている』という作品は今の私には書けなくなってしまいました。この作品の肝は「家族という題材をどこまでバカにしきれるか」でしたが、私の力ではどれほどやっても書ききれず、各話ごとに自分の信じる面白さが出せなくなってしまいました。それは私が面白さを信じ切れなかったからです。自分がわからず面白くないものは、自分にも他人に見せられない。狼が私を追い立てます。
そして、インターネットで本格的に小説を投稿するようになってから、私は自分の話を読んで評価してもらいたい人たちがどれほどたくさんいるのかを知りました。彼らは美しく研ぎ澄まされた言葉で自分の作品や願望を理解し、語ることができます。だから私も頑張って考え続けました、お話を書く理由、聞いてほしいこと、たくさんの人の中で自分の作品が読んでもらえる意味を。
結論は『あんまり』でした。あんまり無かったです。
かつて私はインターネットでたくさんの人に称賛され、自分の言葉を無限に再解釈されたいと思って作品を投稿していました。今はそうでありません。ツイッターで適当にネガツイやネットの揉め事に言及してもらえる数人の優しい方からの『いいね』だけで承認欲求はすべて満たせるからです。
かつて私は読んでもらいたい人の為に書いていました。今はそうではありません。私も大人になり、自分の他人への尊敬を欠いた振る舞いや根本的な無関心、興味のないものを押し付けられる辛さと面倒くささを知ったからです。
そうして何もかも投稿や書く理由が無くなり狼に食い尽くされた私ですが、ついでに現実世界でも人生終了二歩手前ぐらいです。(一昨年は「人生破滅した」と思ったのですが、直後に『人生2』が始まったのは本当に辛かったです)
それでも自分の中に残っているものがあって、それは怨念と希死念慮、そして郷土愛です。論理性も正当性もなく、しかしそれだけで意味がある。一番簡単なので、当面はこれだけです。
具体的には、しょうもない奴らがチカちゃんのせいでめちゃくちゃになっていきつつ諏訪地方のDEEPな情報(諏訪湖の藻はカンナビノイドを含有している・岡谷だけ冷戦が終わってない・おやきは御柱祭の供物(生首)の代用として作られたらしいetc)をご紹介するコメディやホラーを作っていく予定です。死んでいなかったら、今度は二月ごろにホラーの短編を上げるはずです。
狼に食われたものを取り返す。
そんな感じです。
今年も一年、よろしかったら私にお付き合い下さい。
どうかお願いします。