銀波蒼

かつてセーカは地上にあったが、プレーナの怒りを買い、人々は大地を奪われ、地下の生活を余儀なくされた。

しかし罪と罰の意識で祈りの日々を送るプレーナ教徒の中から不満を持つ者たちが現れ、大地へのあこがれが狼神の信仰者を生み出した。

狼神信仰者はかつて「狼神の信徒」と呼ばれた。
その系譜のセーカの民は「狼神の旧信徒」と呼ばれ、労働が禁止されているプレーナ教徒たちの奴代わりに隷として働いている。

そのうち狼神復活を狙う過激派が自らを「狼神の使徒」と名乗り、神帝国と密約し、狼神の旧信徒たちを陰で牛耳るようになった。

つまり、狼神の旧信徒たちは、プレーナ教徒と狼神の使徒から二重に搾取されている。

狼神の使徒は九人

中心人物はミカイロ。
狼神復活の儀式はミカイロの父ザカイロにより考案された。

九人の人のうち一人はセルシオ。
ザカイロの親友であり、シルキルの父親でもある。

同じセーカの民でありながら、プレーナ教徒とは異なる奴隷生活を強いられている狼神の旧信徒たちの中には、狼神復活を願うものもいるが、若者たちの多くは、プレーナにも狼神にも縛られない地上での生活を望み、神帝国へのあこがれを抱き、狼神への信仰心はほとんどない。

それでもミカイロを筆頭とする狼神の使徒は信徒たちにとって恐怖の対象であり、セーカはプレーナ教の教主である「老主」が統治しているものの、裏ではミカイロが暗躍し、事実上権力は二分されている。