『実践 小説教室 伝える、揺さぶる基本メソッド』(根本昌夫 河出書房新社)
第百五十八回芥川賞を受賞した若竹千佐子、石井遊佳が、著者の小説講座を受講していたことから注目を集めた本。なるほど!と思わせる言葉に満ちてます。ただ、具体的な文章の書き方には触れられていません。なので「基本的な小説の書き方が知りたい」という人には向いていません。
私が一番惹きつけられたのは――
>小説を「書きたい」と思うのは、何らかの「過剰」または「欠如」を抱えているからにほかなりません。
という部分と――
>小説家というのは、社会への適応能力がありながら 、その実きわめて感受性が強く、内面に葛藤を抱えながらも社会生活に適応している人たちだ……
という部分ですね。
葛藤――ありますよ……。