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物語が始まらない『猫が分裂した』

帰宅すると、車の下に知らない猫がいた。
このあたりでは見たことない猫だ。

キジトラのようなサビのような、野性的な柄だった。

なにより目を引いたのは、その大きさだ。
遠目でも分かるほどにでかい。
しゃがむような体勢だと思うが、隣のタイヤと同じくらいある気がする。

じっ、とこちらを見ていた猫が、ぬるりと分裂した。

キジトラのようなサビのような猫が、車の向こうへと去っていく。
猫の影は残ったままだ。

ぱちっと影が目を開いた。

黒猫が、じっ、とこちらを見ている。

240212日記でもある

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