学生の頃、国語の教科書に載っている小説は、授業より前に読み終わってしまうタイプだった。
今でも覚えている作品がいくつかある。
その中の一つに、夏みかんに関係する話がある。
ピンとくる人もいるだろう。
私の記憶ではこんな話だった。
バスの運転手が、夏みかんを持った女の子を乗せた。
目的地へ到着し、運転手が振り返ると女の子はどこにもいない。
座っていた最後尾の椅子に女の子の白い帽子だけが残されている。
運転手が帽子を取り上げると、モンシロチョウが出てきてひらひらと飛んで行った。
残ったのは大きな夏みかんと、車内に広がる甘酸っぱい香りだけだった。
これ、タイトルは「白いぼうし」
ちょっと検索してもらうと分かるが、単語と大筋を拾い上げた別の話になっている。
バスじゃなくてタクシーだし、登場人物は足りないし、夏みかんの出どころも違う。
むしろ私が読んだのは白いぼうしとは違う話だったんじゃないかと思うくらい。
同じ話を読んだ人いない?
会った人全員に聞きたいくらい鮮明に覚えているんだけどなぁ(って間違ってるから!)