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聞く読書

聞く読書というものがある。
かくいう私も愛用者である。

使用前は本を聞くという行為に抵抗があった。
文字ではなく音で取り入れるということは、そこに、少なからずナレーターの解釈が入ることになるからだ。読書とは書き手の世界観を読者が単身で楽しむ崇高な時間であるという考えが私にはあった。
たとえナレーターといえど、違う考えをそこに持ち込んでほしくなかったのだ。

実際、ナレーターや演出によってラジオドラマのようになっている作品もある。
地の文より先に登場人物や状況が分かる場合もある。
もちろん、自分のペースで読み進めることもできない。
しかし、これらの欠点を凌駕する利点がある。
圧倒的手軽さ、だ。

読む前に深呼吸が必要な分厚い本も、好みが分かれる文体も、ひと昔前の翻訳本も、演出による振れ幅はあるものの読み進めやすさは等しい。
また、ながら聞きができることも大きい。
特に自動車通勤の私としては、移動時間=読書時間のメリットは魅力的だった。今では家事時間や、買い物中も聞いている。

社会人となり、本を読む時間も気力も無くなる中で、手軽にながら聞きができる媒体はもはや手放せないものとなっている。
月0冊が平均3冊、多い時には6冊ともなると、月々のサブスク代も安いものだ。
本を読みたいけど時間が無いという人にはぜひ試してほしい。

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