王都アマルナイアに到着した一行。彼らが見たのは、国の首都が滅びて廃れて行こうとしている有様だった。リトール:何だ、これは…。タイガス:一国の首都が荒れ果てている…のであるぞ…。ヨルデリア:目がみんな死んでいる…。ハルーン:そりゃ『姫』が暴政を敷いているからね。とんでもない重税に重税を払えなかった者は実験素体にされる。アマルナスから逃げようとしても竜族が見張っているからそれもままならない。ここでみんな、飼い殺しにされているんだ。ヨルデリア:『姫』を倒そう。ハルーン、王城アマルナスへの侵入経路は?ハルーン:こっちさ。地下下水道から、竜族の皇子が囚われている牢屋を経由して、『姫』のところへ行く道がある。
番兵α:ハルーンサマ、ココヨリサキハ、アナタデモ、トオレマセン。
番兵β:オヒキトリクダサイ。
ヨルデリア:この番兵は…!ハルーン:『姫』の不老不死の実験素体の失敗作の成れの果てさ…。タイガス:何と惨いことを…。リトール:死骸を無理矢理動かせているのか、反吐が出るぜ。ヨルデリア:――押し通る!
バトル勝利後。牢獄の奥にて。
竜族の皇子:うう、誰だ…また『姫』か…?もう私を、解放してくれ…。ヨルデリア:『姫』じゃない。貴方を解放しにきた者だ。竜族の皇子:それは無理だ、『姫』は私に特殊な首輪を付けた、『姫』にしか外せない首輪で、ここを出ると私の首を切断する…。ヨルデリア:その心配は要らない。ヨルデリアが触れると、首輪は粉々になって壊れた。竜族の皇子:!?ヨルデリア:これで大丈夫だ。実は…。ヨルデリアは事情を話した。竜族の皇子:私が人質となっている間にそんなことが…すぐに同胞を解放する!礼を言うぞ、人間!。竜族の皇子は牢屋を破壊して飛んでいった。
ヨルデリア:さあ、『姫』を倒そう!
王城最上階でイベント。
姫ことアンナローザ姫:あら、ハルーンじゃないの、今までどこに…ッ!ああ!私の、私の可愛い神の子がいるじゃないの!この20年、ずっと探していたのよ!
ヨルデリア:生憎私はヨルデリアだ。化物でも、神の子でもない、人間だ!
アンナローザ姫:何を言っているの?ほら…。
アンナローザ姫がヨルデリアと視線を合わせると、ヨルデリアが苦しみ始めた。
ヨルデリア(神の子):ママ!助けてくれ!この女の所為で俺はずっと外に出られなかったんだ!
アンナローザ姫:勿論よ、すぐに助けるわ。ママと一緒に手を繋いで、静かなアガートスを散歩しましょう?可愛い可愛い私の子供…。
ヨルデリア:誰が貴様の子供だ!何がママだ、卵子を提供しただけだろうが!私を私にしてくれたのは、父さん達だッ!
アンナローザ姫:何ですって!?無礼な…!許さない、許さないわ!!!!
リトール:お、おい、どう言う事だ、ヨルデリアが神の子…なのか!?
ハルーン:そんなバカな!ヨルデリアは…!
タイガス:姫の嘘に違いないのである!こちらの動揺を誘っているのである!
ヨルデリア(神の子):俺はあの忌々しい帝国の男に封印されたんだ!片腕は食ってやったのに!
三人:!!!!?
ヨルデリア:お前は黙っていろ永遠に!私は私だ!人間の私だ!みんな、ごめんね…でも、私はヨルデリアなんだ!ヨルデリア・コルナッハなんだ!姫!貴様を倒す!倒して私は私になる!
タイガス:…であるな。この化物を倒してからでも事情を聞くのは間に合うのである。異存はあるか?
リトール:おいおい、ある訳がねえだろうが。色々聞きたいが、そりゃこの化物を倒してからだ。
ハルーン:そうだね。そうしよう!
ヨルデリア:ありがとう。――行くよ!
姫とバトル。コアを撃破し、姫を撃破した!
アンナローザ姫:あ、あああ、私が…こんな煩い人間共に…嫌よ…静かな星を…私は…。
姫は砂になってしまった。
ヨルデリア:ハァ、ハァ……!
タイガス:ヨルデリア…。
ヨルデリア:大丈夫、私は私だよ。ただ…一つだけ…気になる事が。
リトール:何でこの化物が今になって暗躍していたか、だろう?
ハルーン:でも倒したんだ、今更気にしなくたって…。
タイガス:!?何か出てくるであるぞ!?
四人の目の前に謎の人間が登場した。
???:姫を倒したのか…これなら、まだ希望も持てる…。
ヨルデリア:貴方は、一体…?
謎の人間:僕は『方舟』のメインシステム『セイバー』。人間がこの星にやって来る時に乗ってきた宇宙船『方舟(アーク)』の人格型管理プログラムだ。
タイガス:『方舟』だと?あれは確か伝説の…。
セイバー:否、事実だ。君らが神と名付けたのは凶悪な宇宙生命体でね、母星の地球を食い潰し、方舟の人間を食べながらこの星にやって来たんだ…だが四英傑が命がけで神を殺し、骸を方舟に封じ込めてこの星に逃げ込んだんだ…そして四英傑は帝国を興し、皇帝と3大貴族として人間を統治してきた…もっとも神の片割れが不運にもこのアガートスに侵入してしまったけれどね…。
リトール:…その方舟のメインシステムが何で今になって…まさか!?
セイバー:そのまさかだ。神の骸が数百年かけて復活しようとしている。更に最悪なことに、方舟の軌道は復活の時に帝国の首都カンナヴァリスの上空を通過しようとしている。
ハルーン:つまり、それは、神がカンナヴァリスの上空で目覚めて、下手したら降りてきて、カンナヴァリスの人間からこの星の命を食い散らかす可能性がある…ということだよね?
セイバー:可能性の段階は既に過ぎた。
ヨルデリア:!
セイバー:何故姫が今になって動いたか。それは神骸の復活を察知していたからだ。姫は方舟を神ごとカンナヴァリスに墜落させて神以外を皆殺しにする計画を練っていた…だから僕はそれをさせまいと帝国の人間にも伝えた…。
ヨルデリア:誰に…伝えた?
セイバー:帝国の摂政だ。皇帝はまだ、あの地球を滅ぼした宇宙生命体と戦うには幼すぎる…。
その時、通信機が鳴った。
ヤマナ所長:『ぎゃああああああヨルデリアちゃーん大変だああああああああ』
ヤマナ所長:『3大貴族が謀反を起こしたんだよおおおおおおおおお!!!!』
ヤマナ所長:『リール騎士団が必死に応戦しているけれど、皇帝君の命が危ないいいいいいいい!』
タイガス:あ、兄上が!っ、兄上は焦りすぎたのだ!
ヨルデリア:使いの糸を使う!すぐに城へ!
四人は転移した…。