ハルーン・アルメイヤー:外見はとっても優男、中身は犯罪者オブ犯罪者。生まれた瞬間に母親に嫌われて以後虐待されて育つ。いわゆる犯罪と呼べる悪行なら全部やったと言える頃、流石に掴まって死刑を宣告される…が、その死刑の方法が不味かった。『神』への生贄にされたのだ。神は彼に言う、不老不死が欲しくは無いか?彼は何にも疑わずに神と契約を結ぶ。人肉をいつまでも提供する神の下僕、誕生。彼も流石にこれには耐えきれなくなるが、不老不死です、どう足掻いても死ねません。それから数百年経った後、姫が神の所へやって来る。そして神と新たな契約を結ぶ。神を不老不死にする代わりに、『不老不死の研究』に全面的に協力させる。だが神の体にするつもりだった神の子が帝国軍によって奪われ、ついでに神も殺されてしまう。自由になった彼は各地を彷徨いつつ、これからどうしたら良いのだろうと考えていた…。
ゲルマニクス・グロリウス・ガイウス・オト・カンナヴァルシアス:カンナヴァル帝国第六十二代皇帝。15才になったばかり。執務放棄して街をフラフラするのが大好きだが武術師範であったコーガ・コルナッハはマジで怖い。あと己を皇帝に擁立してくれた上に親戚であるユーディンや、同じ三大貴族の宰相のクルマーン・ランケール、司法長官のワルテロン・ヒュバインらを心底頼って慕っている。放浪癖こそあるものの、飛び抜けて優秀。自分の母親が赤ん坊の時に心労から亡くなり、父親は『暴帝』カリグラと今でも恐れられているため、親から愛されたという記憶がない。しかし彼はコーガの特訓のおかげでしっかりと『皇帝として己がどうあるべきか』という信念と責任感を持っている。こっそりと街にいる気立ての良くて気丈な女の子と恋愛状態。ヨルデリアやタイガスは頼れる姉、兄といったポジション。ヨルデリアの『異常』にコーガ以外で最初に気付く。
ユーディン・ゴドフロワ:カンナヴァル帝国摂政にして三大貴族ゴドフロワ家の当主。まずブラコン。凄まじいブラコン。『私の弟は世界一!』をマジで行っている人。そのためにコーガの所へタイガスを修行に出し、許嫁に三大貴族ランケール家の『天使』『妖精の姫』『一輪の薔薇』と謳われ、帝国一の美女と呼ばれるヨルティーネちゃんを迎え(この時娘ラブのランケール家当主クルマーンと戦争勃発間際まで行く)、蝶よ花よタイガスよで溺愛して育ててしまった。彼の過去も結構血みどろで、まずカリグラの時に、宰相だった父親が開戦に反対したのに敗戦の責任を無理矢理取らされて処刑、そのおよそ5年後に皇后だった叔母も非道すぎる理由で幽閉されて赤ん坊は何とか産んだもののそのまま衰弱死、ついにガチギレしてカリグラ打倒のクーデターを起こしたのが25才の時。それからはゲルマニクスやタイガスを育てつつ摂政として頑張ってきた。彼の奥方はワルテロン・ヒュバイン公の妹である。だが暴帝カリグラの所為で、彼や貴族達の間には『皇帝という存在』への根深い恐怖や不信感がまだ残っている…。
コーガ・コルナッハ:帝国最強だった武人にしてヨルデリアの養父。普段は温厚なおっさんだが、皇帝からも恐れられている。戦争の時にリール騎士団長として王国に攻め込み、そして王族による『不老不死の研究』のおぞましさを目の当たりにする。己の右腕と引き換えに神の子を封印し、ただの赤ん坊に戻す事に成功。連れて帰って養女ヨルデリアとして育てる。しかし暴帝カリグラが宰相レンバルを敗戦の責任を被せて処刑しようとしたのに意見したため、リール騎士団団長を解任される。騎士団員や貴族から絶大な信頼を得ていた彼を罷免したため、『皇帝の狼たち』リール騎士団も皇帝に対して白目を向けるようになる。化物の身体能力を持ちながら心は人間のヨルデリアが虐められると、彼女にこう言う。『ヨルデリア、お前は何になりたいんだい?』タイガスがヨルデリアに好意を抱いている事に気付いている。