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くろてんゲーム化エッセイ-40.世界包括神話-中国編(2)

数日ぶりのご無沙汰でした!
まずひとつ、たぶん他人さまにとってはどーでもいいことながら、遠蛮にとってはここ1年間、ずっと気を煩わしていた案件が決着したのでご報告。
国政との交渉決着、しっかりとお金が下りることが確定しました! 非常にめでたい、勝訴、の紙とか持ったイラストとか書きたくなるくらいですがとりあえずそれはやめとくとして、これでゲーム制作資金にびくびくする必要がなくなりました。とはいえ男キャラはやっぱり自分で描かなきゃなりませんし、フルボイス化も難しそうなのですが。メイン7キャラと男キャラ4人(瑞穂、雫、エーリカ、サティア、穣、文、美咲と、辰馬、シンタ、大輔、泉)はなんとかフルボイスでいけそうです。サティア、穣、文、美咲に関してはボイス少ないからですね、なんとかいけそう。

で、本日は世界包括神話-中国(2)、女媧と伏羲と西王母です。それではいきます。

女媧と伏羲
盤古の死体から大地ができ、草木が生え、動物が生まれるようになるも、また人間というものは存在しませんでした。世界の調和の中になにかがたりないと思った神農と伏羲が悩むところに、解決策を授けたのが女媧でした。地上の主人をつくって秩序を守らせましょうという女媧は早速、手近な泥をつかんでこね始めます。こうして泥をこねて作られた神の似姿が人間の祖でした。しかしこのとき、人間の股間を虫と間違えて鶏がつつき壊したために、無事に免れた者が男、股間に傷を残して生まれた者が女になったのだとか。7749日の時を経て動き出した人間ですが女は早速、自分たちの欠損を訴えます。これに困った女媧は男と女を一組にしてそれで完成した存在とすることにしました。

最初に生まれた人間は360人、彼らの支配する地上はいたって平和でしたが、ときに天変が起こります。天にヒビが入り、恵みの雨がとめどなく流れ落ちるようになりました。地上は大洪水となり、人々は洞窟に逃げ込んで息を潜めました。しかし何の去るのを待つ思いもむなしく、洪水はいよいよ強くはげしくなり、水は洞窟の中にまで流れ込むようになりました。このままでは人が滅びる、というときに女媧は天から舞い降り、人々の悲惨な姿を見るや土砂降りの雨の中に突っ込みました。川と湖と海に赴き、網ですくった五色の石を持ち帰った女媧はこの石を9日9晩焼き、挽いて、水を加えてのりを作り、こののりを持って天に昇ると東南から西北へ、涕涙にのりを塗って天の破れを修復しました。女媧がのりで塞いだところからはもう雨があふれることはなくなり、人々はまた治療で生活することができるようになったそうです。

伏羲は女媧の夫となり夫婦で人間の守護神とされますが、伏羲単独での神話エピソードというのはあまりありません。人頭竜身で、その出自は雷公の息子、木の神句芒を従え、「八卦」を発明したことで有名、くらいでしょうか。また、彼の神性の象徴としては「天のはしご」を使って天界と地上を自在に行き来できたというのがあります。


西王母
中国仙境、崑崙山の主人といえば西王母。不老不死の霊薬の持ち主であり、また西遊記に登場する万桃園の主でもあって、この園の桃を食べれば霊薬同様に不老不死を得ると言われます。ただし、美しくたおやかな女神という姿は後生になって作られたもののようで、古い記録……「山海経」によれば豹の尻尾と虎の牙を持つ、刑罰と疫病を司る鬼女だったとされます。三匹の青い鳥(赤黒い瞳と三本足、猛スピードで飛んでは小動物をとしめる)を使役し、気が乗ると住処の洞窟を出て咆哮しその声は虎や豹、鷹や鳶すら震え上がらせたといい、はっきりいって化け物です。これが「淮南子」になると9つの太陽(天帝の息子。なかよく一度に上ったために大地が旱になった)を射殺した羿に不老不死の霊薬を与えた、崑崙山の女主人に代わっています。さらに「漢武内伝」では容色30歳前後の絶世の美女で、青い鳥の代わりに女官たちをしたがえる、とあります。この西王母がなぜ中国神話において重要視されるかというと、後に出る黄帝が蚩尤と戦うに際して、九天玄女を遣わし兵法書を授けたという、そういう薬理を果たしたからです。また西王母は虎や豹の相を持つというより、むしろ完全に西方守護の神獣・白虎そのものといわれることもあります。

以上。次回炎帝と黄帝を書かせていただいて、ひとまず中国編は終わりにしましょうかと思います。やっぱり中国は神話より歴史の国なのですよね。正史24史読むと神話以上にドラマティックな話がたくさんあるのです。読みやすい日本語のものとしては陳舜臣氏の「小説十八史略」とかありますので是非。

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