怪奇現象や猟奇な事件を集めた実話集。
猫嫌いがこうじて虐待をするようになった一家が猫に復讐される、やみのくれなゐ「猫の祟り」内に、二本足で立って踊る大猫を見て恐怖のあまり発狂して一家三人が一緒になって躍りまくるw場面があるのだが、それが怖さを通り越してユーモラスで深く印象に残る。
他にも乳房や陰部をえぐり殺された女の話など、いかがわしくて胡散臭い、眉に唾をつけたくなるようなエロ・グロ・ナンセンスな話ばかりなのだが、 逆にそれが、この手の話の魅力だったりもする。毒々しくてケバケバしい見世物小屋の看板のような、といったら伝わりやすいか。江戸川乱歩の小説世界に通じる部分もあるかもしれない。
しかし最近はほんと、『怪奇・伝奇時代小説選集』以降、志村有弘づいてるなぁ。