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みんとさん『アリシア様はドレスが苦手!』レビューを書きました。

みんと様
『アリシア様はドレスが苦手!』
https://kakuyomu.jp/works/16817330652648969888

こちらにレビューを書かせていただきました。
とても可愛らしいタイトルなのに、秋保のノリでキャッチを付けたものだから…… なんかアンバランスになってしまいました。




どうしてそうなった。
以下、ネタバレを回避していない個人的な感想です。





第一話を読んだ印象は「いいじゃん、男装令嬢!」だったのですが。
二話に進んで「はて?」となった。ヒロイン・アリシアの片恋の相手ノワイレットが『ごくごく普通の装いをできる令嬢』を求めているように感じたから。
どうしてと考えて、「そうか、舞台は十九世ロンドンだ」と頭を抱えた。

十九世紀ロンドン。貴族の社会。
個性というものを出しづらい空間だったことでしょう。
女性の活躍も限定的だったと感じる。
……哀しいかな、今だって「装いはマナー」って節があるわけです。いわんや十九世紀をや。
男装を貫くヒロイン・アリシアは、周囲にしたら「KY女」だったのではないでしょうか。

ノワイレットもあんなこと言いながらもアリシアに恋しているというのは、物語の途中でピンと来ます。
そして、彼が恋を諦めないためにはアリシアに変わってもらうしかない状況だったのではと想像してしまったのです。

アリシアにしても「男の子になりたいわけじゃない」。この一文にいろんな感情が詰まっている。

以上、考えれば考えるほど「この話は己の一部分を偽ることになる悲劇のプレリュードでは!?」と感じてしまった。
明るい雰囲気に騙されちゃいけない。


なんて申しましたが。
本来的には可愛い恋の物語。
第一話で「キィイイイイイ!」となったやりとりもノワイレットの恋心のカモフラージュだったと知れて、ニコニコしました。なるほどそう考えたのか……と素直にビックリできた。
アリシアの「男の子になりたいわけじゃない=ノワイレットと恋人になりたい」の気持ちは頷くのは勿論、ノワイレットに「ちょっと男士ィ」と突っ込む物語です。可愛い。

本筋とは違うところまでグルグル考えさせていただけた恋物語、大変楽しかったです。ありがとうございました。

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