---------- 閑話休題:犬・・・系! ----------
「ふぁぁぁ!」
王宮の一室、千春の応接室に一匹の子犬が大あくびをしていた。
「わぁふぅぅん。」
「あぁ温かいなぁ。」
ルプは小さな犬に向かって話す、地球に居る小型犬、チワワのようだ。
「チハルおねえちゃんなにいってるかわかんないー。」
「わふっ?」
「俺は分かるが、ユラには分からないか。」
「わんわんわん?」
「まぁ狐だが、種族的に狐と言う訳じゃ無いだろ。」
「ルプわかるのー?」
「あぁ分かるなぁ。」
「吾輩もわかるにゃぁ。」
隣で一緒に日向ぼっこをする三珠もゴロゴロと喉を鳴らしながら呟く。
「僕も分かりますよ。」
「お前は狐だからな。」
「わんわんわん?」
「はい、ちゃんとわかりますよ。」
「わっちもわかるばい。」
「わんー?わんわん。」
「いや、土地神やらの問題じゃねぇと思うけどな。」
動物変化の魔道具で犬になり、日向ぼっこする千春にルプ達は話す。
「千春~ただいま、あれ?千春は?」
頼子はアリンハンドの所から戻り部屋に入るが千春が見当たらずキョロキョロと見まわす。
「ココにおるばーい。」
「コレが千春だ。」
「チハルさんヨリさん帰って来ましたよ。」
「千春・・・なにしてんの?」
「わふーん。」
「・・・なんて?」
「日向ぼっこだとよ。」
「わんわんわふわふー、わふん。」
「やる事ないから動物になって日向ぼっこだそうです。」
「あ、君たち言ってる事分かるんだ。」
「ユラわかんなーい。」
ユラは千春と一緒にルプのお腹でモフモフしながら話す。
「クィーッ!」
「わふっ!?」
「クィ~?」
「わふわふ、わふっ。」
「クイ!」
マルグリットが飼っているオルニス鳥のラティは千春に話しかけ手紙を渡す。
「わふわふ!わんわんわんっ!わふー!!!」
「・・・分かんないって、ルプ君なんて?」
「ヨリヨリ、ラティーと話が出来る、すげー、だそうだ。」
「あ、動物同士だと話出来るんだ、で?手紙は何て?」
「・・・わんぅわうわうわう。」
「手紙開けれない、開けても読めないけど、だとさ、サフィー読んでやってくれ。」
「はいはい、チハルそれいつまでやるの?」
「わ~ん。」
「もう・・・。」
サフィーナは苦笑いで手紙を受け取り中身と取り出すそして読み上げる。
「オーレン公爵家のお茶会に行くけど一緒に行く?フランシスも出るわよ?だそうです。」
「わふー!!!!」
「・・・なんて言われてます?」
サフィーナはルプを見る。
「いつー?って聞いてるな。」
「午後の1鐘、15時だそうです。」
「わふーん!」
「・・・?」
「いくー、だと。」
「はい、分かりました、それではお返事書きますね。」
「わ~ん。」
「あ、今の分かったわ、ヨローでしょ。」
「あぁ、当たりだ。」
頼子がやったね!と何故か嬉しそうにしていると春恵が部屋に入って来る。
「千春、ちょっとお買い物行ってくるわね。」
「わん?」
「お父さんにお願いされたお買い物よ。」
「わんわんわん!」
「その恰好で?」
「わーん!わんわんわん!」
「そう、それじゃ待ってるから早く着替えてらっしゃい。」
「わん!わんわん!わんわんわん!」
千春犬はサフィーナに吠える。
「えっと・・・なんですか?」
「そこの転がってる千春の服持って来てって言ってるわ。」
「おかあさんチハルおねえちゃんのことばわかるの?」
「えぇ、なんでか分かるわねぇ、ほら千春。」
「わーんわんわん!」
千春はチャカチャカとサフィーナの周りを走り寝室に向かう、サフィーナはクスクス笑いながら千春の服を拾い上げ寝室に向かった。
「なんで千春犬になってんの?」
頼子がルプ達に声を掛ける。
「ん、ここでユラと日向ぼっこしてたら『犬って良いなぁ』と呟いて変身したぞ?」
「うん、意味わからん。」
頼子は真顔で言う、そして千春が着替えて来ると、お茶会のお土産でお菓子の買い出しもする!と頼子も連れ近所のスーパーへ向かった。