• 異世界ファンタジー

ギフト有難うございますの閑話その3!

いつもギフト有難うございます♪
お礼の閑話で御座います~♪

---------- 閑話休題:デミオーガちゃん! ----------

「平和だわ。」
 デミオーガの姫クラータは王都を歩きながら呟く、横には大将のセルロが歩いている。

「姫、この格好浮いてませんか?」
 甚平姿のセルロは恥ずかしそうに歩く、クラータも着物姿だ。

「ユーリン姐さんが着なさいって言うから。」
「はぁ、ユーリン姐さんが着れば良いのに・・・。」
 セルロは溜息を吐きながら呟く。

「貴族用の絹はまだ希少らしいけれど、この木綿の着物は量産が決まったらしいのよ。」
「まぁ涼しくて着やすいですが。」
「なら良いじゃないの。」
 2人は和服姿で王都を歩く。

「ん、喧嘩ですかね。」
 通りの先で喧騒が聞こえセルロは目を凝らす。

「あー見かけない冒険者ね、他国の者かしら。」
 クラータはスタスタと歩いて行く、思った通り見慣れぬ冒険者が露店の男に喧嘩を売っていた。

「てめぇ、俺は銀級!不滅のワグソだぞ!」
 ワグソと自己紹介してくれる銀級冒険者は露店の男に怒鳴る。

「不滅ねぇ。」
 クラータはそう言いうと男の前まで歩いて行く。

「姫。」
「冒険者に遅れはとらないわよ。」
「ん?なんだ女。」
「それくらいにしておきなさいな。」
「あぁ?なんだその恰好、変な格好してんじゃねぇよ。」
「は?何ですって?」
「変な格好って言ってんだY・・・。」

バキッ!!!!

「ダサい二つ名付けてるヤツに言われたくないわよ!私は気に入って着てるんだから!」
「あ、姫それ気に入ってたんっすね。」
 クラータは不滅のワグソを殴り飛ばすと、反対側の建物の壁にぶち当てた。

「てめぇ!グラソ大丈夫か!」
「おいおい!女にやられてんのかお前。」
 仲間と思われる男2人がワグソに近付く。

「あ、仲間居たのね。」
「まぁソロ冒険者って方が珍しいと思いますぜ?」
 面倒そうに呟くクラータ、そして男2人がクラータとセルロの前に立つ。

「何してくれてんだこのブス!」
「なんだそのちんちくりんな服は。」
「・・・セルロ。」
「なんっすか。」
「私ブスなの?」
「いや、可愛いっす。」
「何いちゃついてんだテメエら!」
「おい、ガタイが良いだけで勝てると思うなよ!」
 粋がる男2人は剣を抜く。

「俺が相手します。」
「殺しちゃわない?」
「手加減しますよ。」
「あぁん?銀級冒険者に喧嘩売るのか!?」
「いや、そこの奴も同じ事言って吹っ飛んだぞ?」
「うるせぇ!不屈のワイルを舐めるな!」
「不朽のドオスも忘れるな!」
「・・・ちょっと、あなた達。」
「なんだ?」
「パーティー組んでるのよね?」
「当たり前だろ。」
「パーティー名聞いて良い?」
「ほぉ?教えてやろう!ナンジアラ帝国でこのパーティーあり!銀級冒険者!狂気の剣とは俺たちの事だ!」
 胸を張って言う2人、クラータとセルロはポカンと口を開け呆れる。

「驚いたか!」
「驚いたわ・・・物凄くダサいんだろうなと思ったけど、想像以上だったわ。」
「なんだとぉ?てめぇ!」
「お前の服の方がダサいだろ!このブス!」
「・・・。」
 クラータは一歩前に出る、ヤバいと思ったセルロは一歩下がる。

「あんた達、生きて帰れると思わない事ね。」
 クラータの額に生えた2本の細い角が伸びる。

「あぁ~・・・死んだなコイツら。」
 セルロはクラータを止める事無く男2人を見る、そして一瞬で2人は不滅のワグソの所まで飛ばされ壁に激突し動かなくなった。

「ふんっ!」
 クラータは気が済んだのか倒れる男達を見る、セルロは喧嘩を売られた露店の男を労っていた。

「妖精ちゃーん!」
 クラータは空を見上げ声を掛けると、2人の妖精がフヨフヨ飛んで来た。

「あー姫ちゃんだー。」
「クラちゃんだ~どうしたのぉ~?」
「衛兵呼んでくれる?よその冒険者が暴れてたから動けなくして置いたわ~♪」
「はーい!」
「まかせてー!」
 妖精2人はぴゅ~んと飛んで行く、そしてクラータはセルロに声を掛ける。

「さ、行きましょ。」
「姫、すぐ切れるのやめてくださいよ、だからデミオーガはって言われますから。」
「・・・だってぇ、二回もブスって。」
「可愛いです可愛いです、さ、行きましょうか。」
 デミオーガ2人は王都を着物姿で歩いて行った。



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