舞台は冥府・薄雪の宮。
冬馬(飛雪)と第十六皇子・明熾の邂逅が描かれます。
静謐な宮の空気、黒の牢の崩壊、そして迫る“冬”の足音。
冠の移ろいは、冥府律そのものを震わせる。
本話では、飛雪となった冬馬の「居場所の喪失」と「新たな冠の重さ」が大きなテーマです。
彼が守りたかったものと、彼自身に課される役割の落差。
その葛藤を受け止める存在として、明熾が初めて正面に立ちます。
雪の静けさの中で鳴る「黒の音」は、祝福ではなく始まりの鐘。
冥府の盤は、音もなく裏返りました。
ぜひ、前話(49~51話の熊野/道反編)から通して読んでいただければ、
より一層の流れを感じていただけると思います。
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