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こんばんは、白猫なおです。読者の皆様、いつも温かな応援ありがとうございます。感謝してもしきれないほど、白猫は感動しております。
さてさて、久しぶりの近況ノート、短いですがSS投稿させて頂きます。夜のお供に是非ご覧くださいませ。少しでも楽しんで頂けたら幸いです。今後もよろしくお願いします。m(__)m

【悪役令嬢推しを愛でる 僕と君は友達SS】

「メルディス、久しぶりだね、学園の方はどうだい? 助手の仕事は順調かい?」

アルトパーズ侯爵家の屋敷の中、長男で跡取りのデズモンド・アルトパーズは、今友人であるメルディス・カルセドニーと向かい合い、会話を楽しんでいた。

実はこの二人小さな頃からの友人で、同い年でもある為とても仲が良い。

父親同士の繋がりで知り合った二人だが、性格が合ったのか、お互い唯一無二の親友と言えるほど、何でも気軽に話せる中であった。

そんな二人も年ごろの男の子。

大人のフリをしていても、集まれば話すことは大体その辺の男の子と同じような事だ。

なので今宵も、お互いの恋愛について話し始めたのだった。

「ああ、デズモンド、有難う。お陰様で順調だ。だが、恋愛学は奥が深いよ……教授について勉強しているが、未だに恋愛というものを掴み切れないでいる……恋愛学は私の一生の宿題になりそうだ……」
「フッ、メルディスは真面目だからなー。私は恋愛には興味がない。結婚するなら絶対に政略結婚だ。自分の役に立つ女としか結婚する気はどうしても持てないからなー。まあ、今はまだ様子見だな……家格的にはスピネル侯爵家の娘という所だが、長女はラファエル様の婚約者だろう? そう考えれば次女が私に相応しいと言ったところだろうか……まあ、彼女はまだ幼いし、マリーゴールドがルシファー様と婚約すれば……ルチル王国の王女が相手でも良いかもしれないしな……」

デズモンドはこのジュエプリの世界では珍しいことに、恋愛にあまり興味がない青年だ。

父親を見て育った……からという事もある。

好みのタイプの女性は商館で探せばいい。

妻に求めるものは家柄と貞淑さのみ。

自分の邪魔になる女は要らない、そう思っていた。

「デズモンドはこの国を背負って立つ侯爵家の跡取りだからな……だが、私は真実の愛を追い求めている、父と母が……いや、父とあの女との政略結婚は上手く行かなかった……だからこそ、やはり私の妻になる人間は、私が心から望む者にしたいと思っているよ……」
「ハハハッ、メルディスは昔から変わらないなー、真実の愛、大いに結構だ。その為に恋愛学を学んでいるんだろう? 君ならきっと良い相手を見つけられるさ」

デズモンドの言葉にメルディスは苦笑いになった。

そう、真実の愛を結びたいと思っている相手には、自分よりも立場の高い婚約者がいるからだ。

その上、憎き相手である弟のジェイデンが、いつもその女性との仲を邪魔してくる。

彼女がメルディスに向ける視線は、いつも熱い眼差しだ。

そう、彼女もまたメルディスに強く惹かれてはいるが、立場上それを言いだせないでいることは、恋愛学を深く学ぶメルディスには良く分かっていた。

必ず彼女を助け出し、幸せにしてやろう。

メルディスはそう思っていた。

「デズモンド、恋愛学の言葉で「嫌よ、嫌よも、好きの内」というのがあるんだ……私はそれを今体験しているんだよ……」
「ほう……それは君が以前言っていた、あの意中の君とのことか?」
「ああ、そうだ。立場的に私と彼女は恋愛が出来ない。それに周りにも邪魔をされている。だが彼女は会えば常に私に熱い視線を送ってくる……いつか攫って欲しい、アレはそう言っている瞳だった」
「ああ、そうだったね、君の愛しい相手には確か意に添わぬ婚約者がいるんだったね……早く君との恋が成就すると良いね。そうしたらいい加減親友の私にはその恋の相手を教えてくれるんだろう?」
「ああ、勿論だ。私が伯爵家を継ぐまでには、必ず彼女を手に入れて見せる。どんなことをしても彼女は私のものだ……」
「ハハハハッ、楽しみだなー。それに引き換え私の相手はまだ幼いからなー……あと数年は自由でいられる。その間に先に予備の子供を作っておいても良いかもしれないな……」
「ふむ……それも良いアイディアだね。貴族にはいつだって予備の子供がいた方が良い。ウチはあの弟で失敗しているからなー、その気持ちは良くわかるよ」
「ああ、あの悪魔の子だったかな? スピネル侯爵家の力で立場を逆転させたんだったね……フフフ……まあ、いずれ化けの皮が剝がれるさ、その時縁を切っていて良かったとそう思えるはずだ……」
「そうだな……あいつは人ではない。悪魔だ。学園で会って尚更そう感じたよ。いつか必ず後悔させてやるさ……父を裏切ったあの女も勿論一緒にな……」
「流石メルディスだ。友人として心強いよ……」
「ああ、私も君と友人でいられて幸せだ。お互い頑張ろうじゃないか……」

メルディスとデズモンドの自分たちに都合のいい話は、このまま夜まで続いていった。

二人は友人。

それも仲が良い友達。

だが、それもお互いに利用できるからでもある。

この二人の友人関係がいつまで続くのかは、お互いの家の立場次第だろう。

父親を見て育った二人の結婚が幸せな物になるかは、今はまだ誰にも分からないのだった……

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