こんにちは、白猫なおです。いつも応援ありがとうございます。(=^・^=)
少し目の調子が悪く、今日、明日は各小説一話投稿にさせて頂きます。楽しみにして下さった方申し訳ありません。大分良くなりつつありますので週末で完治させます。宜しくお願い致します。(=^・^=)
【悪役令嬢推しを愛でる 文通友SS】
『ゲイルさん、こんにちはー。今新商品を開発中なんですが、ムーンストーン王国の色は紺。お菓子に使うなら葡萄味とブルーベリー味、どちらが好きですか? ゲイルさんの好きな味で新商品を作りたいと思います。あ、ナス味とかでも良いですよー カメリア』
ゲイルは休憩中、今日届いたばかりの手紙を読んでいた。
相手は勿論、文通友のカメリア様だ。
カメリア様はダイアモンド王国の侯爵家の令嬢であり、ムーンストーン王国の王女の忘れ形見でもある。
そんなカメリア様とゲイルの二人は、お菓子の事や、動物のこと、それから魔法の事などですっかり仲良くなった、両王家の王子公認の文通友達だ。
カメリア様は気さくで、影の仕事をしているゲイルとも仲良くしてくれる。
気取ったところもなく、ムーンストーン王国の好みの味を知りたいと、ゲイルを頼ってくれる。
そんなところが可愛くって、ゲイルは妹のようにも思えてしまう。
そんな二人が交わすその手紙の内容は、お菓子の事が殆どを占めている。
今回も新商品の制作に、ゲイルの意見を聞いてくれるらしい。
インタリオ商会&お菓子大好きのゲイルのテンションは、今あげあげになっていた。
『カメリア様、私は葡萄が大好きです。ダイアモンド王国へ行った時食べた葡萄味のゼリーは最高でした。新商品も葡萄だと嬉しいです。あ、でも他の味も勿論食べてみたいですけどね ゲイル』
ゲイルはササっと返信を書き上げると、鳥に頼みカメリア様へと手紙を運んでもらう事にした。
これでまたインタリオ商会の新商品が楽しみになった。
ゲイルはまん丸になった顔に笑みを溢し、今度は丸々とした手で休憩中の趣味に没頭した。
『月間インタリオ商会新聞 ムーンストーン王国版』
これはインタリオ商会がムーンストーン王国に出来てから、ゲイルが趣味で制作しているものだ。
インタリオ商会の新商品や、値引き商品、それに季節商品などのお知らせを載せ、それに付いてのゲイルの感想なども載せている。
既に購読者はかなりの数になり、人気の新聞になりつつある。
いずれは週刊紙に出来たらと、ゲイルはそんな希望まで持っていた。
「はー……またダイアモンド王国へ行きたいなー」
ゲイルはそんな事を願いながら、遠くで呼んでいる主の声に反応し、凄いスピードで駆けだした。
けれどゲイルのその足音は、影でありながらも残念ながらドスドスと大きな音がしていた。
そう、カメリアと文通を行いながら、インタリオ商会の新商品の試食も担当しているゲイル。
なので痩せるのはどうやら当分先のことになりそうだ。
その為、ムーンストーン王国の王子たちの気苦労は、まだまだ続くことだろう……
満月マンゲイル。
痩せる日が来ることを祈るばかりだ。