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お盆ですね。

皆様、いつも応援有難うございます。皆様に励まして頂き執筆できていると思います。
今週ですが、子育て奮闘記の金曜投稿はお休みさせて頂きます。白猫も夏休みの為、少しお時間を頂きます。宜しくお願い致します。

そんな訳で今日はSS投稿させて頂きます。レオナルド王子と弟君です。そのうち本編に出てくる予定です。ちょっとでも楽しんで頂けたら嬉しいです。(=^・^=)

【レオナルド王子SS】

「兄上―」
「リッカルド、おはよう。どうした朝から元気だな」

レチェンテ国の王子であるレオアルドには弟がいる。

末王子のリッカルドは、ララと同い年の元気いっぱいの男の子。

比較的レオナルドとは歳が近いからか、母親が違っても懐いてくれていて、その上尊敬までしてくれているようで、レオナルドはリッカルドの事が可愛くて仕方がない。

だからこうして駆け寄ってこられると、本来ならば王子として品のない行動に苦言を落さなければならないところだが、可愛くてついつい目じりが下がってしまう。

今日もまた傍付き達がリッカルドの行動に渋顔をして居るが、レオナルドは元気で良いと喜んでいるぐらいだった。

そんな可愛い弟のリッカルドがレオナルドに抱き着き甘えて来た。

今日はレオナルドは休日、それが分かっての行動の様だった。

「兄上、今日はお休みなんでしょう? 私と遊んでください」

レオナルドはリッカルドを撫で繰り回しながら話を聞いたが、「あー……」と返答に困る。

そう、レオナルドは今日の休みはスター商会へ、セオとルイに会いに行く予定になっている。

二人とは剣の稽古をする約束だ。

本心では恋する相手であるララに会う事を一番の楽しみにしているのだが、表向きは剣の稽古だった。

レオナルドの様子を見て何かを悟ったリッカルドはムッとした。

「兄上、もしかしてまたスター商会ですか?」

そう、ここ最近のレオナルドは休日となればスター商会へと足を運んでいる。

勿論ララに会いに……いや、表向きは剣の稽古に行くためだ。

けれど兄っ子のリッカルドはそれが面白くない。

王子として友人と呼べるものがいないリッカルドは、レオナルドと一緒に過ごす時間が何よりも好きだった。

けれどその兄は最近自分よりもスター商会の事ばかり優先し、気にしている。

特に魔石バイク隊を結成してからというもの、リッカルドとの時間が少なくなった。

仕事だから仕方がないと分かっていても、やっぱり兄を取られた様で面白くないリッカルドだった。

「リッカルド済まない……魔石バイク隊の隊長として自分を磨くことも仕事の内なんだ……」
「兄上、だったらこちらに相手を呼びよせればいいでは無いですか! 兄上は王子なのですから!」

リッカルドの訴えはある意味正しいが、ディープウッズ家の養い子であるセオとルイを呼び出せば、父親であるアレッサンドロ王が青くなり、大騒ぎすることだろう。

それに何よりもレオナルドがスター商会へと足を運びたかった。

レオナルドがスター商会へ遊びに行く日は、ララがずっとそばに居て、剣の相手もしてくれるし、魔石バイクのメンテナンスもしてくれる。

それにレオナルドの為に食事を準備してくれたり、おやつ迄用意して笑顔で出迎えてくれる。

その上「レオ、今日は泊って行く?」とも誘われたりして……

セオやルイが一緒にいるとはいえ、スター商会へ行くとララと恋人同士にでもなったようなそんな気持ちになれて、リッカルドの寂しい気持は分かっていても、レオナルドはスター商会訪問を止めることは出来なかった。

「リッカルド、スター商会は特別なんだ。それに私は剣の教えを乞う身なんだ、師となる相手を呼び出すなんて出来ないだろう」
「むー! 兄上! 私はスター商会なんて大っ嫌いです!」
「リッカルド!」

リッカルドはレオナルドの返事を聞き、プイっとそっぽを向いて駆け出して行った。

リッカルドの傍付き達がレオナルドに一礼をしてそれを追いかける。

リッカルドの走り去る後姿を見ながら、レオナルドは大きなため息をついた。

「リッカルドにも早く友人が出来れば良い……」

リッカルドも間もなくユルデンブルク魔法学校へ入学だ。

王族は入試試験が免除される。

勿論学力などが入学できるレベルにあるか、城で仮試験の様な物を受けるがリッカルドならば問題無いだろう。

リッカルドの世界はこの城中心で今は狭い。

数年前のレオナルドと一緒だ。

騎士学校でレオナルドがかけがえのない友人に出会えた様に、リッカルドにも心から信頼できる友が出来れば良い。

レオナルドはリッカルドの姿を見送り、そう願っていた。

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