皆様、日頃から温かな応援有難うございます。ハートを頂いたり、星を頂いたり、出来ればその場その場でお一人づつお礼を申し上げたいのですが、申し訳ございません。この場にてお礼申し上げます。m(__)m
さてさて本日から新連載スタートいたしました。タイトルは
【元聖女様は貧乏男爵家を立て直す! 「あなた達しっかりなさいませ、自分の人生は自分で切り開くものなのですよ」】です。
長いです。はい……切れませんでした。聖女様のお話ですが、多くの方に楽しんで頂けると嬉しいです。(=^・^=)
それではエピローグSSです。
【セラニーナ・ディフォルト】
それは100年前のリチュオル国での話。
生まれたばかりの赤子がある孤児院に預けられた。
その子は女の子で珍しいオーキッド色の髪に、亜麻色の瞳を持っていた。
顔つきを見れば幼いながらもすでに整っている事が分かり、将来美人になるだろう事は孤児院長には容易に想像が付いた。
(早めに養子先を探してあげた方がこの子の為になりそうだ……)
孤児院長はそう思い、美しい赤子の引き取り先を探すことにし、そして赤子にはセラニーナと名を付けた。
大昔の大聖女の名からセラとつく名はこの国でとても人気で、庶民にも貴族にも馴染みのある名前だった。
どこに養子になっても相応しい名を……
その孤児院長の思いは実を結ぶことになった。
孤児院へは貴族が良く慰問に訪れるのだが、その時にある一組の貴族がセラニーナを養子にと言いだしたのだ。
セラニーナは年の割に落ちつきがあり、孤児院にある本を読んでは字を覚えていた。
頭がいい子だと孤児院長が感心するほどだったのだが、それは他の貴族から見ても同じだったようだ。
そしてセラニーナは養子縁組の為、魔法属性を調べた結果、聖女になる素質が有る事が分かった。
セラニーナを望んでいた貴族はそれならば仕方がないと養子に取ることを諦めたが、孤児院長には一抹の不安がよぎった。
そう、この国で聖女候補達は違う扱いを受ける事がある。
才能のあるセラニーナをそんな場所には送りたくはないと、孤児院長は奔走した。
そして大聖女様がいらっしゃる教会へとセラニーナは無事に見習いに入ることが出来、そこでセラニーナ・ディフォルトと名乗ることになった。
そして……
それから数年のち孤児院長はセラニーナ・ディフォルトから最大限の感謝を受けることになった。
聖女としての地位を確立したセラニーナ・ディフォルトは、国中の孤児院の視察に回ることになった。
そして最初に訪れたのがセラニーナ・ディフォルトが幼いころ生活していた孤児院だった。
建物を綺麗にし、お風呂やトイレも完備し、食事も三食きちんと取れるように手配もされた。
見違えるようになった孤児院を前にして、セラニーナ・ディフォルトは孤児院長に感謝の意を述べた。
「孤児院長、貴方が居て下さったから今の私があります。このご恩は一生忘れません。何か困った事がございましたらいつでも私にお申し付けくださいませ……」
すっかり淑女らしくなったセラニーナを前に、孤児院長は頭を下げた。
セラニーナはきっとこの国一の大聖女になるだろう。
彼女の姿を見て孤児院長はそう確証したのだった。