こんにちは、白猫なおです。いつも温かな応援ありがとうございます。後半戦が始まる第十章始まりました。引き続きお付き合い宜しくお願い致します。(=^・^=)
【マルコSS】昨日の続き。
ビルに「兄弟になれる方法がある」と言われたマルコは、研究所の資料室に閉じこもっていた。
兄弟になれる方法とはなんだ! そんな薬があるのか? いや、きっと魔法の部類だろう……
ふっふっふ……このマルコがかなからずや突き止めてやる! 待って居ろ! ビル!
ビル達兄弟が羨ましくって、何としてもその方法を探し出そうと躍起になっているマルコ。
けれど来る日も来る日も探しているが、その魔法がどうしても見つからない……
もしや禁じられている魔法なのでは無いか?! と深読み迄始まった。
研究馬鹿の探求心は止められないようで、寝不足気味のマルコはもう一人の友人に止められた。
「マルコちゃん、顔色が悪いわ、少し休憩したらどうかしら?」
「……ノエミ……」
青白い顔になっているマルコに声を掛けたのは、グレイベアード魔法高等学校からの友人ノエミ・ヴァッカであった。
マルコは以前はノエミの事が苦手だった。
ことある事に「マルコちゃん、マルコちゃん」と追いかけられていたからだ。研究するのは好きでも研究される側になるのは苦手なマルコは、ノエミと距離を置いていた時期があった。
でも今はお互いがお互いを尊敬する良い研究パートナーになっていた。
そんなノエミにマルコはぽろっと「兄弟になる方法が分からない……」と呟いた。
ノエミは「まあ……」と驚いた声をだすと、マルコを資料室のソファへと座らせた。
「マルコちゃん、夫婦はどうやってなるか分かるかしら?」
子供に話し掛ける様にノエミに質問され、寝不足でまわない頭の中、マルコは考えた。
夫婦になる方法? それは婚姻しか無いだろう!
「フフフッ、マルコちゃんならすぐに分かったでしょう、そうしたら兄弟になるのも分かったのではないかしら?」
マルコはハッとした。
ビルが出した問題は薬や魔法では無かったのだ!
「ノエミ! ありがとう! 謎は全て解けた! スター商会の研究者の名にかけて!」
マルコはノエミの手を握り感謝の握手をすると、ビルの元へと走っていき、ノエミは可愛い弟分のマルコを温かな目で見送ったのだった。
「ビル! 分かったぞ!」
研究所の所長室で仕事をしていたビルの元に、マルコが突然飛び込んで来た。良くある事なのでビルは驚きはしなかったが、すっかり兄弟話しの件を忘れていたビルは、何事かと首を傾げた。
「ビル! カイ! 兄弟になるぞっ! 俺はメグと結婚する!」
「「えっ? ええーっ?!」」
まずはお付き合いとかでは無くて、いきなり結婚?? とビルとカイは驚いた。勿論メグがマルコを大好きなのは知っているし、マルコの人柄も分かっているので望むところ何だけど……だけど! マルコはメグの事、好きなのか?! と言う事が二人が一番気になるところだった。
「あー、マルコ……落ち着いて……マルコは、その……メグの事が好きなのか?」
マルコはビルに問い掛けられ目を丸くした。
そこは思い付かなかった様だ……
「ふむ……好きか……ふむ……そこは研究してみないと分からん! よし! 今日からメグと色々試して好きか研究してみるぞ!」
マルコはそう結論づけると「メーグー!!」と叫びながら、部屋を飛び出して行った。もうビルとカイは何も言葉がでず、見つめ合うしか無かった。
こうしてこの後マルコとメグは、研究という名のお付き合いを始めるのであった。愛でたし愛でたし。