『憑依体質(以下略)』の『9話 学校の七不思議』を読んだ友人が、「あれ、7つ全部知ったことになるんじゃないの?」と聞いてきました。
そういう気持ちになってしまった方がいらしたらいけないと思ったので、補足をします。
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自分では、読んだ人が被害を受けるような物は書かないようにしています。私は「この話を聞いた人は、何かをしないと何日以内にオバケが来る」系のお話が大嫌いです。
演出だとは思いますが、基本、他人様が言っていることは信じるタチなので信じてしまいます。そして、そういう話をした人のことは、もんのすごく恨みの気持ちを持ちます。
ウソだと思っても、オバケが来ると言われて怖くないわけがありません!!
だから、そういう話は書かないようにしています。
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あの話は、学校の七不思議のうち、1話も書いていません。
私が知っている5つの話に触れていないし、6つ目が放送室の話だということは知っていますが内容は知りません。また、最後の7つ目は私の予想です。
だから、読んだとしても、読んだ方に何か起こることはないはずです。
7つ知ったら何が起こるか、聞いてないからわからないのですが。
でも、もし6つまで知っている人が読んだとしても、1話も書いていないので被害には遭われないと思います。
あの話は、幽霊が出てくる怖い話というより、人間が作り出す怖い話です。人間の想像力が生み出す恐怖。
私がキチッと書くよりも、読んだ人がそれぞれ恐ろしい話を想像した方が怖くなるだろうと思って書きました。
怪談話を聞くよりも、それを想像する方が怖いという体験談です。
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先輩たちは『学校の七不思議』を異常なまでに怖がっていました。
あの怪談をしている時、委員長が先輩と会話していました。
「次、あれ話すから」
「わかった」
先輩の言葉を聞いて、委員長は放送室から出ていきました。
委員長と先輩は6つまで知っていたようで、お互いが知らない1話を、それぞれが知っているようでした。
だから、委員長が知らない話を先輩が話している間、委員長は席を外し、話が終わったタイミングで戻ってくると、「7つ知っちゃいけないんだ」と教えてくれました。
あの時の雰囲気、真に迫っていて怖かったです。
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先輩たちは、私たちが入学する前に、卒業してしまった先輩に、とても怖い思いをさせられたようです。だから、自分たちは後輩にそんな思いをさせてはいけないと考えてくれたのではないかと思います。
一番身近な放送室の話は教えてくれなかったのですが、逆にそれが怖かったです。副委員長の怖がり方はハンパなかったです。
先輩たちが本当に怯えていて、「きっと、とてつもなく恐ろしい話なんだろう」と想像してしまいました。
それで、「怖い、聞きたくない」と思ったのですが、話を聞いた方が「なんだ、そんな程度か」と思ったかもしれません。
『知らない』ことが生み出す恐怖。
人間の想像力は果てしなく、それはとても面白いです。
だから、私はできるだけいろいろなことを知ろうと思っています。
恐怖は知らないことから来るので。
自分で作り上げた恐怖は、ホントに怖いんです。
だから、この話は、怖いと感じる人と、怖くないと感じる人がいると思います。実際、Dちゃんは「怖くないね」と言っていました。
怖いと感じた方は、想像力が豊かな人、そうでない人は……。
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ところであの七不思議は、今も伝えられているのでしょうか。