こんにちは、カイエです。
ちょっとショックというか、ひどく恥ずかしいことがあったので、吐き出させてください。
「ちよろず」に書こうかとも思ったのですが、それほどの話でもなし、ここで吐き出しておこうと思います。
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少し前に「耳のミシン」という話を公開しました。
内容はといえば、高校生のときに内なる中学二年生が炸裂して妙な本を作ったよ、というような感じなのですが、その金額が1万四千円である、というのが一つのオチになっています。
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先ほど知ったのですが、お笑い芸人であり、作家でもいらっしゃる又吉直樹先生の新作エッセイ「月と散文」の、とんでもない特装版が限定発売されるそうです。
https://www.kadokawa.co.jp/topics/9354/ これは恐ろしい装丁です。
まさに芸術です。
ぼくも製本を試したことのある人間ですし、古書好きの一人でもあるからわかります。
題箋貼り、活版印刷+箔押し、小口アンカット、グラシン紙による包装、どれもこれも「わかる、わかるよ! わかります!」と一万回頷きたくなる粋な装丁だと思います。
これまで又吉直樹先生のご著書を拝読したことがなかったのですが、一度手に取ってみたいなぁなどと思いつつ、値段を見て吹き出しました。
い、一万四千円……ッ!!
いえ、高いって言うんじゃないです。
こだわりにこだわった本ならば、一冊数万のものも珍しくないので、そんな野暮を言う気はさらさらないのです。
ただ、ぼくの「耳のミシン」と同じ値段というのは……あの素人丸出しの、経年劣化で空中分解しそうな、しかも数カ所ミスったままのクソ雑魚装丁本と、この芸術品というべき装丁本が同じ値段……。
いえ、もちろん、そもそも勝負するつもりなんてありません。
でも、こういう偶然があると、ガチのプロによる本気の仕事と、素人による手なぐさみのお遊びとの差を思い知らされるというか、金銭の重みをずっしりと感じるというか、そんな感じです。
そう気軽に手を出して良い世界じゃなかった……!!
そもそも「耳のミシン」はちょっと昔のことなので、当時は今より多少は物価が安かったわけで、なんならこっちのほうが高い……!
あれを買ってくれた方にはずっと感謝しておりましたが、今はそれを通り越して謝りたい気持ちでいっぱいです……。