「あるいは深層に……」に、階層と深度についての質問をいただきました。
実は、元々その辺をまとめて出そうと思っていたのですが、書くのが楽しすぎて忘れていました。すみません。
特に、階層(Layer)と深度(Depth)についてはわかりづらいと思います。
英語表記を決めるにあたって、海外在住のいとこに相談したのですが、その時点でも「1単語で表現するのは無理」と言われた経緯があります。
ありゃあ、これは伝わらないだろうな、どーしよう、と随分悩みました。
そこで、地の文では説明しづらい用語の説明を試みてみます。
筆者は準備万端整えてから動くタイプなので、自分の中でイメージを明確にするために表計算ソフトなどで設定を細かく決めてから執筆をスタートさせています。
そのため、作中には出てこないような細かい設定が山ほどあります。
これでも抜粋しまくったのですが、それでも長くなってしまったので、気になる用語についてだけ読んでいただいて、あとは読み飛ばしていただければと思います。
▽
【迷宮】
地下異界です。
単純な地下洞窟と違う点は「瘴気」が存在する点です。
複数の階層に分かれており、階層同士は別の次元に存在するため、重なり合うことはありません。
隣り合った階層は一ヶ所でのみ繋がっていて、順当に攻略すれば、一階層ずつ降りていくことになります。
ただし、例外として「ショートカット」が存在しており、途中の階層をスキップできます。
世界中に存在しますが、クラウディオがいる迷宮が規模・難易度ともに最大です。
【迷宮へ潜る目的】
主に資源のためです。
- 医療
深層生物から抽出した成分がなければ人類は人口を維持できないほどに依存しています。
- エネルギー資源
迷宮で取れる熱鉱石は、地上産とは比べ物にならないほど高効率であるため、熱源や精密機器のほとんどで利用されています。
- 金属資源
迷宮産の金属は地上産とは異なる特性を多く持つため、武具、装飾、精密機器などで必要不可欠とされています。
刃物の場合、地上産の金属に0.5〜3%ほど混ぜて使われ、高級品になると5%も含まれるものもある。
こうした金属のことを「ミスリル」と呼ぶ。
超高級品。
- 生物資源(迷宮素材)
アラクネの吐く糸や、粘菌などから様々な繊維や樹脂を得ています。
養殖も研究されており、ある程度の安定供給されていますが、まだまだ高級品。
食用としても利用されており、大抵は「素晴らしく美味」。
香草なども迷宮産は高級品。
こうした事情から「迷宮で子供を産むと優れた子供になる」という似非科学が生まれた。
- 瘴気
瘴気そのものは迷宮外に持ち出せません。ボンベなどに密閉することも不可能です。
ただし、迷宮内では積極的に利用されており、迷宮金属を鍛える時には瘴気と迷宮熱源の両方が必要。
あと、単純に「未知の世界や冒険への憧れ」というのがあります。
クラウディオなどは典型的なこちらです。
【階層】
地下街で言えば「地下何階」を示す指標です。
通常「レイヤー」と呼ばれ、地上から最深階層へ順に「レイヤー1、レイヤー2……」となります。
「L16」というふうに略されます。
深度が深いほうが難易度が高くなる傾向にありますが、そうとも限りません。
どちらかというと次に出てくる「深度」のほうが重要になります。
また、階層ごとに特徴があり、それも攻略難易度に影響します。
特徴は様々で「瘴気濃度」「季節/気温」「風の強さ」「地形」「壁の硬さ/柔らかさ」「ルート数」「深層生物の種類と数」「空の有無」「水/川/湖の有無」などが挙げられます。
クラウディオたちがいる迷宮はレイヤー73まであります。
【深度】
その階層の奥行きを示す指標です。
地下街で言えば「その階の奥行き」です。
通常「デプス」と呼ばれ、奥へ行くほど「100デプス、200デプス……」となります。
単純にデプスが深くなれば難易度が上がりますが、障害物の多さにもよります。
世界で最も深い階層がレイヤー73で、8849デプスあります。
1000デプスごとに「級」をつけて呼ばれ、例えば「3000デプス級」などと言われます。
3000デプス級が「上級者向け」とされ、特に8000デプス級は世界に14しか存在せず「8000デプス級 14座」などと呼ばれます。
クラウディオたちは、8000デプス級の一つ、レイヤー16の低深度領域にある建物を拠点としています。
【深層】
単純に「迷宮の奥」といったイメージで使われます。
階層と深度、どちらの意味でも使われます。
▽
……だめでした。
長すぎるので、ノートを分けて、次に回したいと思います。
添付画像は書き始めるにあたって作っていた設定資料です。
ほんと馬鹿ですねー。