どうも。『セリーヌ・アラン』の展開を考えなくていい日々に、重いコートを脱いだみたいな解放感を覚えるボロボ郎です。嬉しいけどちょっと寂しいな……。
このノートは『セリーヌ・アラン』のあとがきみたいなものだと思ってください。最後にこうして裏側も出す事で自分の中で完全に終わりにしちゃおうという魂胆。ついでに色々考えたのを自慢したいって気持ちもあります。
テーマとかそういうのは読者に考察してもらう方が良くて、作者自身が書くのは野暮かもしれませんが、まあ考察の答え合わせとでも思ってください。
キャラの役割から書いていきますけど、前に『アクセル』『ブレーキ』『ルールブック』の三本の柱の話をしたじゃないですか。今回もその手法を使いました。
『アクセル』はアレクセイ固定です。ユスト教団に強い恨みを持つということで適任だなと、ユリスからの手紙に応じたり、聖堂を燃やす計画を立てたり、さらに死ぬことでパスカルの心に火を付けたりと物語を始めています。
『ブレーキ』は『託された者』です。第一話はセリーヌ、セリーヌ編はユリス、パスカル編はパスカルになります。
最初はユリス固定だったんですよ。何も決まってないならブレーキにしちゃおうということで。ですが洗練していくうちに『託された者』になりました。
箇条書きすると長くなるので省略しますが物語を終わらせる役割で動いています。
『ルールブック』は『託す者』です。第一話はアンリ、セリーヌ編はローベル、パスカル編はセリーヌになります。
こちらも実はローベル固定でしたが洗練してってうんたらかんたら。状況を敷く者ということで最初はローベルにピッタリだと思ったんですよ。
最後にアレクシスの役割は『力』、アレクシオスの役割は『技能』になってます。
アレクシスは術式のかかった矢を放ってセリーヌにダメージを与えたり、最後の決闘で周りの干渉を制止したりと力で影響を出します。
アレクシオスは聖堂を燃やす紙を用意したり、矢に除霊の術式を込めたり、セリーヌの身体の様子を言い当てたりと技能で影響を出します。
次はテーマとそれに関わるセリーヌの心情、最後のオチの話です。テーマは二つあって、『パスカルの成長』と『現実に立ち向かう代償』です。
原案を読んでみて、ちょっと失礼ですがパスカルの成長物語にした方が映えると思ったんですよ。しかし書いてみてそれだけだと面白くないぞともう一つテーマをぶっ込むことにしたんです。
まずセリーヌはパスカルが力を持ってないことを心配していました。その流れで「自分が居なくなったらどうなってしまうんだろう」と不安になってたんです。
だからセリーヌはパスカルを王にして立場と権力を与えたかったんですよ。セリーヌがずっと抱えてきた想いであり死にきれない未練です。
パスカルを王っていう立場に固定しないと弱いパスカルじゃ世の荒波に揉まれてしまうんじゃないかって恐怖心があったんです。そのためだけに城に襲撃して兵士を虐殺したのを、セリーヌは馬鹿げたことって笑われると自嘲しました。内心分かっていたんですね。
だけどパスカルが王にならない現実に立ち向かうにはなんでもしなくちゃいけないと虐殺を決行したんです。
ちょっと作者の声入れますけど、実は自分も結構やりたくなかったんですよ。セリーヌさんが本当に自分勝手の悪者じゃないですか。
でも「じゃあセリーヌさんは諦めて黙って死ぬのか?」って考えた時絶対NOだったので、もう容赦は捨てて振り切った悪者にしてしまおうとなったんです。テーマ的にも合ってる気がしますし。
そしてパスカルはセリーヌにただの剣で立ち向かいました。勝てないという現実に立ち向かってきたんです。この時点でセリーヌとパスカルの立場は同じになり、戦いの土俵に乗れました。
戦いの末にセリーヌは胸を貫かれました(王家伝統の剣で王家から授かった鎧を貫く皮肉ポイント)。ここでセリーヌは安心したわけですよ。「あ、強くなったな」って。「痛いじゃないか……」にはそんな想いがあります。ちなみに死体なので痛覚はありません。
パスカルの成長でセリーヌの未練は終わりました。セリーヌは成仏して元の死体に戻ります。煙がセリーヌを成仏させないんじゃなくて煙を完全制圧したセリーヌが成仏しないために煙を利用してるというちょい裏設定。煙の鎖を手放していいとセリーヌは思ったんです。
ここで『セリーヌ・アラン』の物語は終わりとなりました。
以上、長くなりましたがいかがでしたでしょうか。
やっぱやめとこっかなーと思いながら、知って欲しい気持ちもあり書いたあとがきのようなもの。しっかり全キャラを活かせている……と自分では思ってますがどうなんでしょうか。
これにて本当の本当に終わりです!