夕辺歩

大きな感情の起伏を避けて淡々と重ねられていく描写が、星空の下の公園や、慎ましくも暖かい食卓、またラストの雪の情景にとても相応しく感じられました。厳かな冬の日の出来事――。そんな締め…続きを読む

主人公が死を迎え、その記憶と人格が人ならざる物にコピーされる。――と来れば対象は人型のアンドロイドか何かであってほしい所、彼は金属の球体に移植されることになる。『僕』自身は平然とし…続きを読む

夢と現実のギャップに打ちひしがれた青年が『変わらないもの』に心を救われ、もう一度顔を上げて歩き出す。 こういう話、とても好きです。 ちりばめられた『対比』が見事だな、と思いました。…続きを読む

自分の気持ちを整理するための一つの方法。 それが「歌」にすることなのかもしれません。 定型にはこだわらない。けれどリズムを損なわない。 そんな詠みぶりが自由で良いなぁ、と思える秀歌…続きを読む

冒頭で主人公に共感を覚えて、あとはノンストップでした。 抱えた煩悩（主人公の場合は物書きとしての『業』でしょうか）ゆえに導かれ、知らず惑わされ、最後は気付きと共に突き放される――。…続きを読む