• 異世界ファンタジー

『対の物語』の出来上がりまで(小咄編も終了!)

 本編、第三話『対の物語』と小咄編その三『過失』、無事終了致しました!
 いや~、小咄はネタ物語なのでよいとしても、本編の『対の物語』は個人的に悔いが残りますね~。
 思う存分書き出して、削るところを削りきっていないという感覚でしょうか。
 なにせ、突貫工事だったので上手くいきませんでした。
 なんとなくそう思います。

 ですが、125話にも亘る長編を書いたのは初めてのことであり、最後までお付き合いくださった読者様には感謝しかありません。
 よくぞあそこまでだらだら続いた物語を見届けてくださったなと思います。
 読者様は皆様、強者だと感じ入る次第です。
 なんと言っても、陸王がチート級に強いという設定なので(チートではないですけども)、中位くらいの魔族じゃ相手にならないんですよね。
 敵設定が凄く難しいので、陸王には毎度困らせられます。
 今回は中位だったので、妖刀は持たせましたが、中位くらいじゃ妖刀の本当の力を引き出せないだろうなぁと、敵の能力頭打ちにも困ってしまいました。
 いや、ほんと。
 参りました。
 それでも、雷韋が襲われたり攫われたりしているので、場面転換で誤魔化した風はありますね。
 それに今回は真の敵の情報も出てきたり、陸王の生い立ちだったり等など、物語に突っ込まなければならないことも多く、本来は二つの物語として設定していたものを途中から無理矢理一話に纏めてしまったのも、やっぱり拙かったかなぁと。
 無理筋を通してしまったという後悔もあります。
 だから、途中から話があっちこっちに飛び回ってしまって、ヤヴァイな、と。
 「ヤバい」というはっきりとした自覚はあったのですが、二話に分けると前話の情報を色々忘れてしまうこともあるだろうと思って、無理矢理一話に纏めたのでした。
 そこが後悔の始まりでもあったのです。

「ヤバい、ヤバい、ヤバい! 兎に角、情報どばどば出していけ!! それで目眩ましをかけるんだ!!」

 等と、最低なことを考えていました。
 最終的には、大体思っていたところに着地出来たのでよかったのですが、それまでは最悪な物語展開だったと思っています。
 見事なまでの悪いお手本ですね。
 だから後悔もひとしお。
 こんな事はもうないように気をつけます。
 随分と読者様を混乱させてしまったと思っていますし、反省の材料には事欠かない物語が手元に残りました。
 これを反面教師にして、ここから先の物語では、思いついた原案をブラッシュアップして少しでも磨きながら仕上げていこうと思います(よい作品が出来るとは言ってない)。

 こんな後悔だらけの物語になってしまいましたが、最後までお付き合いくださった皆様には感謝です!
 カクヨムでの一日のPV数は3~6というのは後書きで書いたように思いますが、なろうでは固定で少なくとも十人以上の方には読んで頂けました。
 元々の巣穴がなろうなので、カクヨムよりは読者様も集まりやすいのだと思います。
 元々、小説そのものを投稿していたのは『なろう』でした。
 そのあとカクヨムに登録して、読み専ならぬ、放置専のアカウントで放置されていたんですけどね。
 だから『覇界世紀』シリーズを投稿したのも、なろうが先でした。
 そのあとに、カクヨムのアカウントがあるのだからカクヨムでも連載してみてはどうか? と考えまして、第一話に当たる『はじまりの物語』をなろうの後追いで連載し始めました。
 幸い、カクヨムではすぐに固定の読者様がつきまして、『はじまりの物語』をエタらせることなく無事、両サイトで第一話目を終了させることが出来たのも事実です。
 なろうではある程度、固定の読者様がいましたが、カクヨムで始めた時は固定読者様はいらっしゃらず、数話更新したところで定期的に読んでくださる読者様がお一人ついてくださいました。
 その為、カクヨムではその方のためだけに連載していたと言っても過言ではありません。
 このシリーズをお読みくださっている読者様にはお分かりだとは思いますが、本編は超弩級のシリアスです。
 WEB小説としては好まれない類いだとは分かっていました。
 でもやっぱり流行に乗りたくはなかった。
 というか、無理ですw
 ライトな感覚のWEB小説は書けません。
 書いて、小咄編のようなものですね。
 今回のあれが書けるのだから、ライトな小説も書けるのでは? とお思いの方もいらっしゃるかも知れませんが、あれは手慰みで書いている程度の完成度の低いものです。
 短編・単発だから書けるわけでして、はい。

 そして元々、『はじまりの物語』は電撃大賞に出す予定で書いていたものでした。
 いや、当初からと言った方がいいでしょうか。
 カクヨムから参加できる今回の電撃大賞にも『はじまりの物語』と『禍事』の二作品は提出しています。
 今回も無理だろうとは思っていますが、改めて書き直したのだから枯れ木も山の賑わい程度の感覚で提出しました。
 そして『覇界世紀』シリーズは、頭の中では長く続く物語として延々と続いていたのですが、最初に電撃に出すにあたり、一人で書いていた頃にエタっていたものを改変して焼き直した作品でした。
 電撃ではなんとか箸か棒に引っかかりましたが、最終まで残ることが出来ませんでした。
 それでも選評が頂けたので、初めてそこで自分の書いているもののいいところと悪いところをプロから指摘して頂けました。
 選評を基にして、更に焼き直したのが、現在の形になっている『はじまりの物語』です。
 選評で思いっきり指摘されていたのが、戦闘シーンの冗長さ。
 派手なことをしているわりには、戦闘シーンが冗長とばっさり一刀両断です。
 敵を倒した際のカタルシスもない、と。
 今、形になっているものと、もとの小説の戦闘シーンはまるで違います。
 もとの方は、不っ細工な戦闘シーンでした。
 今現在のだって、よいとは決して言えません。
 かなり読者様に無理を強いている戦闘シーンだと思っています。
 それでも、現在の戦闘シーンになるまでに十回近く書き直しています。
 延々と戦闘シーンを中心に書き直していました。
 選評を貰った時の電撃に出す直前の作品を推敲をしていて、自分でも違和感を持っていました。
 「これ、なんかやべーんじゃね?」と思っていたら、やっぱり戦闘シーンで引っかかりましたね。
 かと言って、戦闘シーンをどう書けばいいのかなんて分からなく、ずぶの素人がなんとか形にしたけれど、酷いもんだという選評。
 逆に褒めて頂いた部分は、キャラクターですね。
 それをよしとして、今の形のキャラクターを描くことになりました。
 今回の『対の物語』で明かされた四獣ですが、それはもとから存在していました。
 始めから、主人公は四人+αという形を取ることにしていたのです。
 最低四人の主人公が存在している物語として考えていました。
 今のところ、四人目はどんな人物かほとんど分かっていませんが、そのうち出てきます。
 その物語も筋は固まっています。
 あとは出力すればいいだけです。
 要所要所の物語は出来上がっているので、そこはいつでも書けるようになっています。
 困るのは、それ以外の物語ですね。
 今回、酷い流れで四獣の話などが出てきましたが、実はこれも何度も書き直している話だったりします。
 だから、書き始めた当初は二話に別れていたんです。
 前述しましたが、それを無理矢理一本にしてしまったから、今回のようなストレスフルな物語が出来上がってしまったわけで。
 大いに反省です。
 筋は決まっている物語なのに、何度書いても上手くいかなかった話でした。
 でも、初めて書き上げた当初よりはまだましです。
 『対の物語』の後半でかなり長く陸王の生い立ちや、四獣のことなどを書けたので、本来の急展開な話ではなくなっていたのが救いでした。
 いや、それでも拙いんですけどね。
 でも、42文字×34行の形式で130枚しか余裕がなかった電撃に出すよりは、ずっとましです。
 その枠に無理矢理突っ込んだ話を、今回はバラしました。
 バラした上限は、40文字×30行でA4用紙で約160枚です。
 原稿用紙換算で、500枚までが決まりでした。
 公募のためにこの長さに慣れておこうと、『覇界世紀』も上限が500枚までと決めているんです。
 でも、これはかなり書けますよ。
 『対の物語』の前半は原稿用紙500枚で収まっています。
 ただ、後半は500枚以上書いてしまっていますが。
 陸王の出生の秘密をあとから事細かに出そうと思いまして、500枚の上限を振り切ってしまったんです。
 それに、紫雲にも考える時間が必要だと思いました。
 がっちがっちのモンク僧で、魔族は絶対的な敵。
 それを仲間だと思えというのですから、物語の中で紫雲にも考える時間が必要でした。
 なので、光竜殿での話は長いんですね。
 前半は本当に導入部分でしかありませんでした。
 本当に必要だったのは旅に出たあとの後半です。
 枚数を確認しながら書いていきましたが、あとから入れた陸王の母親が出てくる辺りで、完全に500枚という上限を振り切ってしまったので、これはこれでもういいや的な頭で書き進めていきました。
 色々拙くて、拙い部分は多いですが、色々あってあの形になりました。

 というわけで、これが『対の物語』が出来るまで、という話です。
 自分の中では不完全燃焼な部分もありながら、最後には燃え尽きました。
 「書くだけ書いたぞー!」と、脱稿したあとは脱力してしまいました。
 燃え尽き症候群です。
 あとは、UPする前に更に推敲を重ねてから一部分ずつ公開していきました。
 いやぁ、まぁ、ブラッシュアップが足りないですよね。
 分かってる!
 よ~く分かってる!
 でも今の実力ではあれで精一杯。
 あれ以上、難しい作業は出来ませんでした。
 不甲斐なし!

 因みにネタバレ。
 日ノ本のことですが、必要があって書いていましたが、実はあれ、公募用の設定を煮詰めるためにも書いていた部分でした。
 公募用の作品は、ファンタジーですが、日ノ本が舞台の和風ファンタジーなんです。
 世界観は『覇界世紀』と同じ。
 日ノ本は陸王の出身地という位置づけにしてある場所なので(正確には違いますが)日ノ本の話が出てきましたが、自分の公募用の設定を練っていた部分でもあったんです。
 自分の中でも日ノ本という土地のことは未だによく分かっていません。
 決まっていたのは、大陸が人代の時代に入ってから生まれた島国であること。
 その日ノ本にある『波羅密』という雇われ侍の町が、陸王が少年時代から青年になるまで育った場所であることだけでした。
 まぁ、陸王に関しての日ノ本の細かい設定は諸々あるものの、全体を眺めるとはっきりとしない胡乱な場所でした。
 だからついでに書いちゃったんです。
 テヘペロ。
 そもそも、大陸の価値観と日ノ本の価値観は全く違うものです。
 本編の中でも帝の存在とか日ノ本の人間族の発生などを陸王が雷韋に語っていましたが、大陸の文化圏である雷韋の生まれ故郷などの価値観では、到底、理解出来ないということをあの部分で語りたかったという事もあります。
 だから書きました。
 あれは決して、公募のためだけじゃないんですよ~!
 信じて~!
 だからこれからも、ちまちまと日ノ本の情報は出てきます。
 果たして、雷韋と紫雲にどこまで通じるのか?
 大陸の文化圏の者は日ノ本のことに興味津々ですが、逆に、日ノ本の者は大陸の文化など特に知りたくはないんですね。
 ぶっちゃけ言っちゃいましたけど。
 その部分は、リアル世界の日本の考え方に近くしてあります。
 古代から日本は大陸の文化を受け入れて世界(中華帝国)と肩を並べようという意識が強かったんですが、平安時代辺りで大陸との関係を断ってしまいます。
 何故か?
 追いついて、追い越してしまったからです(唐の情勢が不安定になっていたので、これ以上はかかわっても碌な事がないというのも理由の一つです)。
 もう大陸からの情報も文物も必要なくなって、平安時代に国風文化が花咲くわけです。
 それも四百年も続く!
 世界史的に見ても、この安定期は類を見ないことなんです(江戸時代なんかも)。
 世界のどの国でも戦争が頻発していて、安定期なんてありません。
 ローマ帝国とか、あの時代ならある程度安定していましたが、結局それもキリスト教に粉砕された形になりました。
 日本では鎌倉時代に入ってから、また大陸と遣り取りが少しずつ始まるのですが、その前の平安時代の辺りを陸王は生きていたという事にしたいんです。
 勿論、ファンタジーですから、歴史通りに時代が進むわけもなく、鎌倉幕府が立つわけでも、足利幕府が立つわけでも、戦国時代に入るわけでもありません。
 平安時代と戦国時代と江戸時代のごった煮が、日ノ本の文化という事になっています。
 政治の中心である都も千年続いています。
 そして、皇祖神(天照大御神)の血を引く帝が絶対者です。
 ただそれは権力とは違い、絶対不可侵の象徴として存在しているんです(権力ではなく、権威はあります)。
 今の『天皇』と同じ、日ノ本の象徴という位置付けですね。
 日本の歴史上、天皇の座を簒奪しようとしたのはたった二人だけです。
 他の国はもっとわんさか権力を握りたい人間がいて殺し合いましたが(特に中華文明)、日本では二千年以上の歴史の中で、たった二人だけなんです。
 しかし、現在でも万世一系が残っているわけで、簒奪者が天皇の位に就くことはなかったんです。
 簒奪しようとした一人は高い地位と権力を持った坊主だったのですが、天皇(女性)に危険視されて地位も栄誉も奪われてしまいます。
 もう一人は鎌倉幕府の北条氏の一人でしたが、どうやら歴史を見てみると、身内に暗殺されたようです。
 ぽっくり逝っちゃってますから(多分、毒殺)。
 あと数日その人物が生きていたら、現在の万世一系は鎌倉時代に滅んでいたでしょう。
 当然、日本は世界最古の国でもなくなっていたと思います。
 まぁ、話を元に戻しますが、日ノ本の人間にとって大陸の文化はあまり魅力がないんです。
 文物、思想、文明を独自路線で追い越しちゃってますからね。
 大陸との交易はそれなりにありますが、基本としては雇われ侍達が金を稼ぐ目的で渡っていくくらいです(大陸の方が金になる)。
 陸王が日ノ本に順応出来たのは、子供故の頭の柔らさと柔軟な感性があったからです。   
 そもそも、少年時代から青年になるまで育った場所ですしね。
 日ノ本の民が何故、帝を絶対者として見ているのかということも、陸王は理屈ではなく、肌感覚で理解したんです。
 だから陸王は、大陸と日ノ本の違いを言い表したり説明することが出来るわけです。
 上手く説明できているかどうかは知りませんが。
 雷韋と紫雲では価値観が全く違うので、理解出来ないかも知れません。
 本編で雷韋が混乱したように、紫雲も混乱すると思います。
 実際に日ノ本に行ってみたらどうか分かりませんが。
 それでもまぁ、きっと凄く戸惑うと思います。

 さてさて、余計な事を書いて長くなってしまいました。
 急ですが、この辺で〆させて頂きます(延々続けられても困る)。
 近況報告という名の、一つの物語が作られるまでが本題だったのに、日ノ本のことにまで言及してしまいました(歴史にまで足を突っ込んじゃった)。
 こんな近況報告になってしまいましたが、ここまでお付き合いくださり有り難うございました。
 『覇界世紀』も公募も頑張ります!
 なるべく早いうちに再びお会い致しましょう。

 杏月飛鳥でした!

PS.
 今日はこの画像です。
 『ガーディアンヒーローズ』、物凄く面白い横スクロール形式のアクションゲームです。
 この間、ゴミ箱にこのゲームのBGMを放り込んでいるのを忘れてCCleanerをかけてしまい、無残にも消去されました。
 その時に、『竈門禰豆子のうた』もゴミ箱に放り込んでいたので、一緒に消えてしまいましたが、まぁ、amazonのデータから再度DLしてきました。
 両方とも凄く曲がよかったので、消えてしまったのがショックでして。
 CCleaner許すまじ!
 というわけで、画像は再度ゲームソフトからBGMを取り込んだ『ガーディアンヒーローズ』の取説の表紙でした。
 非常にナツカシス。
 1996年のゲームですからねぇ。
 え~ん、このゲームで遊びたいよぅ(原稿書け!)。

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