見れば無性に撮りたくなる対象や色というのがあって、鉄錆もその代表格だ。
それに加えてこの種の線香花火のような造形では、なにも考えずに撮るしかなかった。
だから、この写真からいろいろ考えたのは、一旦アルバムに納めて日を置いてからのことだ。
きっと、自然淘汰のことを考える機会があったのだと思う。
仕事の上でのことだったかもしれない。
「ある特徴を持った癌細胞が増えてくるのはいわゆる淘汰の結果かも知れない」
(僕は癌を対象に研究する仕事をしている)
あるいは、社会ニュースの中で気になった出来事を進化になぞらえたのかもしれない。
なんであれ、ある種の選択圧の中で、それを潜り抜けられるものが残るというのは、細かい理屈を抜きにしても考えやすい。
そういう「考えやすい」ことに思い至ると、その後、得てして一種の自虐感に陥る。
タイトルはそれを表したつもりである。
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Olympus OM-1, Zuiko 50mm 1:1.8, Kodak Ektar100
2010 Summer
Miranda TM, SMC Takumar 55mm 1:1.8, Fujicolor 100 f/2.8, 1/125, +0.5
Date 2018.12.2 16:10