わたしの住む街の春はとても短くて、のんびり居座る冬と順番を待たない気まぐれな夏に挟まれて、あっという間に終わります。
これから季節はどっちに行くのだったっけ、思わず確かめてしまうくらいに激しい上がり下がりを繰り返す気温の変化に、半袖と長袖を行き来している間にカッと燃え上がるような夏になって。
わたしにとって夏は、どこか物悲しい季節です。
スピードの速い輝きに、気持ちを置いて行かれてしまう感じ。
今年の夏は、ちょっと長い旅行をします。
生まれて初めての。
その思い出が、わたしの夏の感覚を変えてくれたらいいなと思っています。