かの文豪のような、妖しくも文芸風味ある内容ではまったくない。
実際に今朝見た夢の話である。
ホンのたまに、自分の作品のキャラクターがリアルに出て来る夢はあるが、今度もそれ。
だが、今回ちょっと意外だったのでつい話したくなった。
昼間の場面、ある建物から出て、歩道まで裾のように広がる大きな階段を降りようとしたところ、
『遅せえーよっ! ********************』
(***部分は ”ピー”ではなく、内容を覚えていないだけ)
と、いうハッキリした声を聞いた。
階段には何人かの人がチラホラといたが、その中で立ち止まってこちらに背を向けている2人組から、発せられたものだった。
声を上げた男にもう1人が、何か宥めているように話しかけている。
そう、『遅せえ』と言ったのは拙作『異世界★探訪記』の登場人物ヴァリハリアスである。
顔は見えないが、すぐわかった。
あの物言い、声、奴しかいない。
いや、その声に今回驚かされたのだ。
奴の声は大きいが低音で良く響く。
そこに威嚇やちょっと怒った時に、ワザと牙を鳴らすことがある。
ガチガチと牙を激しく打ち合わせるのである。
拙作ではそう描写している。
が、夢で聞いた声は、まさにそれが混ざった声だった。
喋ってる言葉の合間に、『ガチガチ音』が入って来るのではなく、声ごとなのだ。
音の1つ1つに、ガチッ ガチンッ という音がくっついて一体化した音声。
低音の声に、金属が響くような高音が加味されている奇妙な高低音。
なんだこれっ?
歯がないと声がふにゃふにゃしたりするが、口が牙だらけだと、こんな声になるのだろうか??
いやいや、犬や猫が人の言葉に似た声を発する事があっても、こんな奇妙な声には聞こえない。
声帯も牙で出来ているんじゃないかと疑ってしまう。
やっぱり多重歯のサメ特有のモノなのだろうか。
(だけど夢に出て来る別のサメ(姿もサメ)は、普通の声だしなあ……)
もちろん創作しながら私の頭の中では、こんな感じと言う風にキャラクター達の声は想像している。
が、今回はそれを斜め上 ⤴ にいったぁ~っ!
つうか、映画でも聞いた事がないぞ。
ボイスチェンジャーによる響きを変えた声とも全く違う。
お初な音声なんだけど――
夢って普通、記憶の整理だから、知らないモノは出て来ないんじゃなかったっけ?
それともこれは脳内合成されちゃったのかな??
しかし、プチ怒りの時のガチガチ声って、こんな声だったのか。
あらためて作者も実感っ!
1つ言えるのは、それは人間には出せない音声だよ、ヴァリ―。
そりゃあ、蒼也が『人外』と言うのも納得である。
色んな意味で得心と感心がいった夢だった( ̄▽ ̄)