JR神戸線の三ノ宮駅から電車に乗り、東へ7つ先の芦屋駅へと向かっていた
午後2時の車内は、何となく座席は埋まっているかな〜という程度の乗車率で
座れなくもないが、俺は扉横に立つ
次の灘駅から、20代のカップルが乗ってきた
女性は俺と対面になる扉横に立ち、男性は、短い吊革を右手左手に持って立つ
それから数駅、カップルは同じ状態で立っていたが
男性が事あるごとに飛び上がる
電車が揺れたり止まったりする度に、八艘(はっそう)飛びみたいなことをしているのだ
その男性というのがとにかくヒョロくて、腕なんかもマッチ棒みたいに細く
どうやら、何処かに掴まっていないと電車の揺れに立っていられないみたいなのだ
もう少し詳細に言えば
吊り革を持って足を床につけてはいるが、揺れに体の踏ん張りが効かないようで
減速→足が浮く
カーブ→足が浮く
停車→八艘飛び
に、なっているのだ。
その方が楽なのだろうか。
女性は見慣れているようだが、知らぬ者が側から見ていると
いい年した大人が、吊り革で遊んでいるように見える
以前、遊園地のジェットコースターで
俺の前に乗ったカップルの男性がガリガリで、体を安全バーでホールドしてはいるのだが
いざ発進すると、後ろから見ていても可哀想なくらい、右や左に体をガンガン、ぶつけていた(隙間がありすぎるのと、軽すぎるため)
目の前の男性はその類いなのだろう
そのうち三ノ宮から4つ目の住吉という駅で、我々が立っている側の扉が開き
何処かの小学生サッカーチームが乗ってきた
男性は吊り革を持ちながらも体をくねらせ子供の波を避けていたが
最後に乗ってきた女の子の背負う、丸みからしてサッカーボールの入ったリュックが
女の子が扉側に振り向きざま、男性の腰に当たった瞬間
「いんっ」とか言いながら男性が消えた
反対側の扉まで跳ね飛ばされて倒れた男性を見て子供たち(と俺)は唖然
藁かあんた・・・