・明治大正期の作家だと、芥川龍之介は新潮文庫が家にあったのでよく読んだ。「藪の中」も好きだが、わたしは「芋粥」がいちばんである。モーパッサンの「青紐」に匹敵する佳作だと思う。「人生」というものの恐ろしさを教えてくれた。
太宰治は、新かなで新潮文庫をすべて読んだが、文章のよさがよくわからなかった。「人間失格」のラストには驚いたが。
そんな太宰の評価を一変させたのは、旧かなで「富嶽百景」を読んだ時。名文家とされる理由がよくわかった。志賀直哉も同じである。旧かなで読むことを勧める。
漱石は、やはり、三回読んだ「吾輩は猫である」がいちばんだ。「坊ちゃん」は、丸谷才一や高島俊男が指摘しているように薄気味悪い小説だが、まあままおもしろい。個人的に好きなのは「それから」。あとの作品はよくわからない。「こころ」はお手上げ。
あとは井伏鱒二の漢詩ぐらいかな。宮沢賢治もよくわからない。森鴎外は「百物語」だけ。
正直、明治大正の小説はあまり読んできていない。余生の長さを考えると、もう、読むことはあるまい。
上の時代を扱った、高橋源一郎さんの「日本文学盛衰史」は別格のおもしろさ。ぜひ、ご一読荒れ。
・芸人のやついいちろうさんに似た時代劇俳優の名前が思い出せない。
だらしない町人役をやらせたら、天下一品の役者であった。昭和の時代劇によく出ていた。だれだったかなあ~。
そのなまえの出て来ない役者さんに似ているからだろうか、百姓をやらせたら、やついさん以上の逸材はいないと、レキシの「年貢 for you」のMVを見るたびに思う。
・太っていていいことはないが、年を取ると、苦労して痩せてもとくによいことがない。モテても仕方ないしね。
・読んだマンガ
『サバエとヤッたら終わる 7』(早坂啓吾/新潮社)。安定のクオリティ。
『達人伝 6』(王欣太/講談社)。すこしおもしろくなってきた。