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禁煙30時間

・明治大正期の作家だと、芥川龍之介は新潮文庫が家にあったのでよく読んだ。「藪の中」も好きだが、わたしは「芋粥」がいちばんである。モーパッサンの「青紐」に匹敵する佳作だと思う。「人生」というものの恐ろしさを教えてくれた。
 太宰治は、新かなで新潮文庫をすべて読んだが、文章のよさがよくわからなかった。「人間失格」のラストには驚いたが。
 そんな太宰の評価を一変させたのは、旧かなで「富嶽百景」を読んだ時。名文家とされる理由がよくわかった。志賀直哉も同じである。旧かなで読むことを勧める。
 漱石は、やはり、三回読んだ「吾輩は猫である」がいちばんだ。「坊ちゃん」は、丸谷才一や高島俊男が指摘しているように薄気味悪い小説だが、まあままおもしろい。個人的に好きなのは「それから」。あとの作品はよくわからない。「こころ」はお手上げ。
 あとは井伏鱒二の漢詩ぐらいかな。宮沢賢治もよくわからない。森鴎外は「百物語」だけ。
 正直、明治大正の小説はあまり読んできていない。余生の長さを考えると、もう、読むことはあるまい。
 上の時代を扱った、高橋源一郎さんの「日本文学盛衰史」は別格のおもしろさ。ぜひ、ご一読荒れ。


・芸人のやついいちろうさんに似た時代劇俳優の名前が思い出せない。
 だらしない町人役をやらせたら、天下一品の役者であった。昭和の時代劇によく出ていた。だれだったかなあ~。
 そのなまえの出て来ない役者さんに似ているからだろうか、百姓をやらせたら、やついさん以上の逸材はいないと、レキシの「年貢 for you」のMVを見るたびに思う。


・太っていていいことはないが、年を取ると、苦労して痩せてもとくによいことがない。モテても仕方ないしね。


・読んだマンガ
『サバエとヤッたら終わる 7』(早坂啓吾/新潮社)。安定のクオリティ。
『達人伝 6』(王欣太/講談社)。すこしおもしろくなってきた。

5件のコメント

  • おはようございます。

    「坊っちゃん」が薄気味悪いというのに興味を惹かれました。
    僕が思い浮かべたのは「一銭五厘」のやり取りですが、たぶん、清の存在のことをおっしゃっているのでしょうね。うーん。
  • ・森下さん

    おはようございます!

    丸谷才一(もしくは高島俊男)の本を読むまで、私も気づかなかったのですが、ほかに客のいないはずのうどん屋で大盛りを食べたり、ひとりで温泉に入った際に泳いだりしたことが、次の日には学校中のうわさになっているんですね。田舎の監視社会の薄気味悪さが、坊っちゃんにはあります(似たようなことが、漱石の松山赴任時にあったのでしょう。また、英国留学中にわずらった病の影響で、漱石にはだれかに監視されているという病状があり、坊ちゃんと似たような話が「猫」にも出てきます)。

    ではでは〜。
  • ・森下さん

    『赴任先で蕎麦屋に入って、天麩羅を4杯頼んだこと、団子を2皿食べたこと、温泉の浴槽で遊泳したことを生徒から冷やかされ』。
     Wikipediaによると蕎麦屋でした。失礼しました。
     あと、たしかに、清は不思議な存在ですよね。

    ではでは。
  • こんにちは。

    おっしゃっている薄気味悪いの意味が理解できた上で、一応書くと、、、
    蕎麦と天麩羅を食べたときには、客として生徒がいました
    団子屋は遊廓の入口なので、どうでしょう? 誰かが見ることができたかも知れません
    温泉で泳いでいたのも、従業員含め施設の入口から覗いていた人がいたかも知れません

    田舎育ちの僕には、こういうことは大いにありえると思うのですね。巧く書けているなあという意味で、これらの描写を素通りしてしまいます。

    僕の母は近所付き合いを深くしようとする気質ではないので、助かっていますが、周囲の会話を聞くと、そのまんまです。誰々はこうしたとかばかりで、そんなことどーでもいいじゃないかと思ってしまいます(僕は口には出しませんが)。分かりやすく言えば、今日青い自動車が止まって若い人が出入りしていたけどあれは何なんだろうとか、あの家の人は頻繁に自動車出して買い物いくねえとか……。
    東京に出た人が、お嫁さんを連れて帰ってくるなんて絶対に無理だと僕には思います(勿論、人それぞれですよ。でもね大変にちがいない)。

    それでは、また。
  • ・森下さん

    こんにちは!

    えへへ(笑)。
    蕎麦屋の場面の記憶がめちゃくちゃですね。よくおぼえていましたね。

    わたしもいなか育ちなのでよくわかります。どうして、ああ、他人の家のことが気になるのでしょうね。うわさをするということは、うわさをされているということなのに。わたしはうわさ話が大嫌いなので、家族もわたしにはあまりうわさ話はしません。

    家に鍵をかけると、近所の人間が怒り出す地域もあるそうですね。
    野菜などが玄関に置いてあるのが美談として紹介されることがありますが、個人的には薄気味悪いし、あとがめんどうそう。

    まあ、いなかにはいなかの良いところもあるのでしょうが、まあ、わたしには合いませんでしたね。
    ただ、空気がまずいのだけはがまんできないので、都会にも住みたくないですね。たまに遊びに行くくらいがちょうどいい。
    都会のベッドタウンが私にはいちばん住みやすいかな。

    ではでは。長々と失礼しました〜。
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