本年も残すところ一日となりました。
読者の皆様のご愛顧に心よりお礼を申し上げます。
年の瀬を迎え、慌ただしい日々を過ごされていることと思います。拙文ながら、歳末の挨拶を申し上げたく筆を執ります。途中、筆を投げ出し、投稿を辞めた時期もありましたが、皆様のご厚情に支えられて逃げずにおります。作品をご高覧くださるだけでなく、温かなお言葉やお気遣いを賜りましたことに感謝を申し上げます。
寒さが体に堪えますが、お風邪など召されぬようお厭いくださいませ。
年明けですが、5年前の旧作の更新を予定しております。
公募の落選作のため、公開するかどうか迷っていた作品でもあります。今年の下半期、創作について悩みながら、今後悔いのないようにと公開を決めました。正直に明かすと、投稿サイトにおける評価や立場に歯痒い重いをすることもあります。それでも、私は執筆が好きで、続けていきたいと思っているのは事実です。6年前から、私は無名のままですが、過去の自分に恥じないよう精進したいと思っております。
実は、新作『玉紫』、公開予定の旧作には万感を抱いています。
両作品は、どちらも小説の書き手を描いた作品です。書き手にとっての「運命の人」を綴る物語でもあります。短編『玉紫』では男同士、公募落選作『人並みの恋』は女同士の、特別ながらも恋愛感情ではない情を折り込みました。今回、新作を書く際、対照的な構成やアプローチを意識したのはけじめの意味もありました。前者は夏目漱石の『虞美人草』、後者は江戸川乱歩の『人でなしの恋』にあやかっています。その意味でも、私にとって重い価値のある作品となりました。勿論、名作を穢すつもりはございません。
未熟者で、至らぬ点もあるかと思いますがご容赦ください。
下記、年明けの更新予定となります。
お気が向いた時に、ご高覧にあずかれたら作者として幸甚です。
是非、新作の短篇『玉紫』とも、読み比べていただけたら嬉しく思います。
(個人的には、『玉紫』はとても気に入っている作品なので……)
【公募落選作】短篇『人並みの恋』
2019年 女による女のためのR-18文学賞 一次落選作
⋆ 題名は江戸川乱歩『人でなしの恋』のオマージュ
2025年1月1日 - 5日 各日10:00更新(全5話)