お兄ちゃんがね、タソにお仕事を紹介してきたの。
お兄ちゃんは立派な郵便局員で、タソと違って偏差値の高い高校を卒業したり、一浪はしたけど、立派な大学も卒業したんだ。
すごいなあ。
でもね、結婚も子どもが生まれるのも、家を建てるのもタソの方が早かったんだよ。
えっへん。
人生を転落するのも、タソの方が早かったけど。
そんなお兄ちゃんは、ずっとタソのこと放置してたんだけど、今日になって突然、1日4時間の仕事を紹介してきたの。
フフッ。今さら働けねーよ。
こんなキチガイ職場に放ってみろ。
職場は崩壊すんぞ。
タソはきっと、1日に5回は「お前、いま俺のこと殺そうとしたよな?」って同僚や上司に言っちゃうよ。
お兄ちゃん、わかってないなあ。
タソはやんわりと断ったんだ。
わかってない人だらけ。
壊れてる人見たことないのかな。
どう扱えばいいのかわかんないのかな。
でも怖いなあ。
なんで今になって働けって言ってきたんだろ。
働かなかったら殺すつもりなのかな。
死ねって言ってんのかな。
死ぬの怖いなあ。
でも、明日、先生の診察があるんだけど、そこで障害年金の話をしようと思ってて、その話がうまくいかないと、タソは絶望します。
ぜっつぼー♪
ぜっつぼー♪
もうダーメだー、ぜっつぼー♪
もし、明日ダメだったら、タソは絶望と仲良くなって、頑張って来世に行こうと思います。
ふふふ。絶望と仲良くしなきゃ。
きっと怖くないよ。
来世、楽しみだなあ。
痛くない。
苦しくない。
大丈夫。
大丈夫。
こわい。
つらい。
さみしい。
生きるのも死ぬのもこわい。
家族がタソの事なにも知らない。
タソも家族がなに考えてんのかさっぱりわかんない。
タソは、タソのこと知ってる人と一緒にいたい。
「愛」のない家族なんていらない。