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『有翼の民』ー主人公について

 小鳥、という名前の女の子をヒロインにしたお話が書きたいな、と思っていました。
 カクヨムに載せるかは検討中ですが、このお話の一つ前に、千鳥(ちどり)、という名前のヒロインが出てくる現代ファンタジーを書いていたので、次は小鳥がいいな、と思っていました。
 小鳥。ことり。とべないことり。羽を傷めてしまった小鳥が回復するまでの、小さなお話を書いてみようかな、と思ったのです。
 主人公のキャラ設定をするにあたって、小鳥ちゃんに関しては、それまでで一番慎重に下調べをしたと思います。拒食症という実在の病気を扱ったので、その症例や療法について書かれた本を何冊か読み、事実と異なる誇張やロマンチックな脚色をできるだけしないよう気をつけました。
 小鳥ちゃんにとって一番大事なのは、絵を描くことです。それは私の趣味ではないので、絵を描くのが好きな友人に取材してみたりもしました(現在、彼女はとある大企業の広告デザイナーとして働いています。)ちなみに私自身は、絵を描くのはド下手です。どのくらい下手かというと、高校の美術の授業で自由に絵を描く課題が出た際、絵とそれにつける説明文を一緒に提出したところ、先生に「とても素晴らしい説明文です。情景が目に浮かびます」というコメントを頂いたくらいです。
 そんなわけで、色んな意味で、園崎小鳥ちゃんは私自身から一番遠く離れたキャラクターの主人公になったなと思います。触れたら壊れてしまう、もろくて繊細なガラス細工のような彼女。けれど情熱的な恋心を持つ彼女。そして、絵を描くことにかけては、人に負けない真剣さと強さをも秘めている。そんな彼女が愛おしくて心配で、ラストシーンの後の小鳥ちゃんの人生が気になって仕方なくて、ついに続編まで書いてしまったくらいです。
 人生の経験は、必ずしも結果が全てではないと思っています。不思議なお屋敷で過ごした時間、交わした言葉は、小鳥ちゃんだけの宝物です。この先つらいことがあっても、思い出すだけで支えになってくれる、そんな思い出になってくれたらいいなと思いながら、ラストの彼女の想いを綴りました。
 …そういう続編を書く、つもりだったのですが…。活き活きした主人公ほど、思い通りの人生は歩まず、あるがままの道を行ってしまうものですね…。

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