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思いのほか影響を受けていた。

さくらももこさんの訃報に思いのほかショックを受けていたここ数日。

現在放送中のアニメのまる子に関しては(また「ほのぼの」といったワードで評されることなどにも)正直思う所がかなりあるものの、原作の中盤あたりやアニメの第一期、初期エッセイなど作風が尖っていた頃のものは未だに好きで、原作が手元が無い状態でも未だに一部諳んじられる程度には読み込んでおりました。なお「コジコジ」も好きでした。

エッセイの文体なんかも今でもかなり意識してるんじゃないでしょうか。
ちなみにエッセイのネタで一番好きなのは、「ドカベン」の里中くんという登場人物にガチ恋をした中学生時代に「ドカベン」の単行本を買うために「漫画だけど勉強になるから」と親せきからもらった「ベルばら」を売り払ったという冴えなさすぎる思い出を語られたものでしょうか。夜遅くまで毎日「ドカベン」を読みふける生活態度をお母さんにしかられても口答えをし、その結果窓から単行本をぶん投げられるという惨劇に発展するという結末の笑えるのに笑えない展開が印象深い。タイトルは「なまけものの日々」だったかな。このエピソードのせいで今でも「ドカベン」の話題でもりあがる現場などに接すると「ああ、里中君……さくらももこの初恋の人……」と頭の中でいちいち噛みしめるクセがあります。
二次元の登場人物への恋、そして現実の女子中学生のショボく冴えなさすぎる日常という点による親近感から他人事とは思えず、笑えるのに笑えない一抹の切なさを感じさせる一章でした。

そういえばエッセイには、高校生時代に綴っていたこっぱずかしいポエムについて語られたものもあったはずであれもかなり面白かった。
「あなたの瞳と同じ色の絵の具を見つけました」というポエムにはブルーの絵の具のイラストに添えられていたことに対する「何人に恋していたんだか」というツッコミとか、すごく笑った記憶があります。

思えばさくらももこという人は、女子のこういう「黒歴史」的な行為に目をつけてネタにする最初期ぐらいの人に相当するのではないかなと思うのですが、そこのところの検証をしてる方はいらっしゃるのだろうか。

思いのほか長々と語ってしまいました。
ご冥福をお祈りします……でまとめるべきなのですが、健康に気を遣うエッセイが多かった方が乳がんで亡くなられたという事実が未だになんとも受け入れがたいものがあり、ただただため息を吐くのみです。



――という、訃報に関する話を述べた後に話を変えてお知らせするのもどうかと思いますが、現連載作の最新話を更新しましたので一応お知らせいたします。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885611315/episodes/1177354054886731566

あいかわらず文字が多い、そして情報量も多い過積載気味でややとっちらかったな内容になっております。あと久しぶりにラブコメじみたこともやってます。

なお、本章で主人公の親友の愛読書がなんであるかを明かしております。お察しの通り桜庭一樹『青年のための読書クラブ』です。
引用するにあたりぱらぱらと読み返して、本作を書くにあたりかなりこの小説に無意識レベルで影響を受けていることに気が付いて相当冷や汗をかきました。


それからここ最近、あまり動きの無かった妙な読書エッセイの方がぼちぼち読まれているようで少し驚いております。急に何があったんだ……? 原因はわかりませんが読んでいただくのは単純に嬉しいです。楽しんでいただけたのなら幸いです。

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