いつの間にやら高校野球が始まってますね。
特に野球ファンでも高校野球ファンでもありませんが、期間中はニチアサが吹っ飛ぶ関西育ちなためかなんとなくついつい見てしまいます。
地元の代表校を軽く応援したり、ブラスバンドの応援で使われる曲に何があったか注意して聴いてみるのが主な楽しみ方です。……定番曲ならわかるのですが、最新のヒットソングを独自のアレンジで演奏してる学校に「あーこの曲、なんだっけ、あーっ、ここまで出てるのにっ」とモヤモヤしがち。
さて、高校野球をやってると毎年ついつい一回は聴いてしまう曲があります。「遅れて来た勇者たち」という曲です。「緑山高校」というOVAシリーズのエンディングテーマでもあったのでジャンルとしてはアニソンになるでしょうか。ノリとしてはバンドブームを汲む90年前後のJ-P0Pという雰囲気の曲ですね。
ある世代より上、特に関西出身の人ならこの曲もご存知のかたも多いと期待はしますが、お若い方はとりあえず手持ちのスマホないしPCで「遅れて来た勇者たち」とご検索ください。動画一覧のトップの方になんか野球のユニフォームを着たむさ苦しいおっさんたちが群れをなして出てくる暑苦しいアニメーションを用いた動画が出てくるはずです。そこで流れている曲がそれです。
ちなみにその動画の元素材が「緑山高校」というアニメで、そこで描かれている人たちはみな甲子園球児です。つまり、高校生です。みんな兵隊を二～三年やってそうなおっさんに見えますが高校生です。
私には時々自分が赤木剛憲よりはるかに年上になったことにしみじみショックを受ける時がありますが、このアニメーションの連中よりずっと年上になったことにもかなりのショックを受けます。
「緑山高校」というのは、なんだかたまたま地方予選を勝ち抜いてしまった全員一年生の野球部が、「目立ちたい」「大阪観光したい」というふざけた目的のみで甲子園を勝ち上がり並みいる強豪校をけちらして勝ち上がるという本当にまあそれだけの既存のスポコン野球物をおちょくったようなギャグものの野球アニメです。なんでそんなふざけた連中が勝ち上がっていけたのかというと、本作の主人公である千葉茂声の二階堂という男が新幹線の最高速度レベルの球を投げたりスコアボード直撃するようなホームランを打ったりする異常な超人だったから。今でいうとチートってことになるんでしょうか。
そんな二階堂の影に隠れているけれどチームメイトも異常なやつばかりで、みんな「自分が自分が」という性格だからチームワークも最悪、なのに勝つ、という作品です。私は二階堂とバッテリーを組んでる横暴な鬼軍曹みたいな性格で玄田哲章声の犬島というキャッチャーが何故か好きでしたね……。リアルにいたら絶対近寄りたくないキャラクターですが。
OVAではありますが、テレビで放送される機会に恵まれていたせいか（さっきから「関西出身の人なら」と言っているのも、その昔関西には夏休みや冬休みに当時の人気OVAを放送する「アニメだいすき」という罪深い――優れたコンテンツがあったため。なにもしらないいたいけな小学生がそれを見てマニアックなアニメーションの洗礼を浴びた末にアニヲタになったりしました。「緑山高校」もその中の一本で、絵柄からと内容から小学生人気も抜群なシリーズでした）、今でもwebのアニメ配信チャンネルやなんかで見られるっぽいですね。良いことです。
大人になるとそういう時間を捻出するのも一苦労ですが、あー休みだっつうのにやることねえや～……という暇を持て余した夏をお過ごしのお若い方にお勧めしたい一本です。深夜にお酒とスナック菓子をおともに一気に見ると楽しいと思うよ。あと緑山メンバーのメガネ男子白石くんとかライバルチームの声を若手時代の関俊彦が声あててるよ！ ファンの人は見とくといいよ！ 白石君は可愛いよ。
――と、曲のことを語るつもりだったのにいつの間にか「緑山高校」のことばかり語っておりました。語りたかったのはエンディングテーマの方ですよ。
まあ、聴いていただたくと早いのですが、いかにも、夏、熱い、青春！ 聴いてるとむやみに勇気が湧いてくる！ という感じの気分のアガる曲です。こういうカラッとした陽性な夏の曲が似合いそうな青春を過ごしたかったもんです。
よかったら聴いてほしい……若人よ……。そしてできれば、ブラバンで演奏するがよい……と、年寄が手前勝手なことを言って〆ておきます。
おまけ：「アニメだいすき」について触れたついでに。
今の連載作の一部モチーフに「メガゾーン23」の設定を取り入れているのですが、それは私にとってこのアニメがとてつもない大トラウマだったからです。この作品をみたのも「アニメだいすき」でした……。
「メガゾーン23」が怖かったせいで、伊達杏子だの初音ミクだのが出てくるたびに、ヒイイ怖い！ ヴァーチャルアイドル怖い！ ってなってましたな……。
つか、なんすかねこのノート……。今更だけどオタクくさい。