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スピーチの天才、パイオニア、勇敢で頑固な実務家、そして中産階級出身の真っ当な人

日本でも大きな選挙? が始まろうとしていますが、やはり大統領選に目が行きます。
今まで絶望視していた分、喜びが大きいからということもあるんだろうな。




それにしても、政治家、というか人間は、誰のことも信頼できないというのに、どうしてこんなに感動するんだろう。


スピーチの天才バラク・オバマが
「家族や親戚が、『ああ、この人は世の中の流れを勉強してアップデートしたな』と感じた瞬間が誰にでもあると思う。それは、国民も同じだ! 『我々』と『彼ら』と分断するのはもうやめよう! 市民が学び、前へ進むのを見守っていこうではないか!」
と言った言葉に、ボロボロ涙が流れてしまいました。
(それにしてもあんなに品があるバラクが下ネタを言うとは……。思わずクスッと笑ってしまいました)

個人的には、バラクはワシントンやリンカーンとまではいかずとも、ルーズベルトぐらいには歴史に残るべき人と思っています。


1日目のヒラリーとバイデンも素晴らしかったです。
ヒラリーは間違いなく今の流れを作ったパイオニアで。

バイデンも。「Thank you Joe, thank you Joe!」という嵐のような声に、感極まったように瞳を潤ませ、けれど少し寂しそうな顔で周りを見渡して。
このために体調を万全に整えてきたんでしょうね、能力が不安視されていたとは思えない力強い演説。特に「ビリオネアの増税を実現したらどれほどのことが成し遂げられるだろうか!」という発言はヒヤッとするほどでした。
(私は、自分がお金持ちになる甲斐性がないからこそ、お金持ちに対する増税は必ずしも賛成ではありません。がんばった分報われないのはアンフェアだと思います。そんな私ですら、アメリカの不平等は異常だと思う)

そして我らがティムおじさん。
男性らしさ、アメリカ人としてのpatriotismは、攻撃性で表現する必要なんてない。真っ当さと隣人への思いやりでそれを表現することができると、思い出させてくれます。
例えるなら、そんな人が実在していたかはぼんやりとしか覚えていないのですが、公立の学校でいつも明るく元気で授業も面白く、そしていざという時には私の盾となり、あるいは私が間違っている時は力強く私を叱りつけてくれるような、絶対的に頼れる高校の先生という感じで、懐かしさを感じます。
(完全にティムそのままですね)

夫婦で妊活に苦しんだ話をした後「だから、私にとって家族は人生の全てだ! グウェン、ホープ、ガス、愛してる!」と叫んだ時、ADHDを持つ息子のガスが感極まって「That’s my dad, that’s my dad!」と叫んだ姿に、またまたブワっと涙があふれました。
本当に、お父さん、かっこいいよね。ガスが全米の息子になった瞬間です。
(そのガスのことを悪く言う人はどうかしていると思う。まだティーネイジャーだよ?)

まだカマラの演説は、最後の最後のお楽しみとして、見ていません。

今から本当に、楽しみです。

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