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今年の予定

昨日、ホワイトボードに現在抱えてる構想を書き出してみたんです。
ダイソーで売ってる、1日から31日までの日付が入ったやつ。
あれの1日から順番に、構想の仮題を入れてくわけです。
あくまで整理の意味で、です。
1日1作書いてくというんじゃなくて、数を把握したかった。
そしたら、うん。

31じゃ足りない。

「戸松秋茄子全作品完全ガイド(仮)」の発表予定を見れば自明のことではあったのですが、改めて数えてみると多いなあ、と。

いちおう、ある程度まで細部が決まってて、優先順位が高い構想に絞ったのですけど、それでも30以上。
どれから書くか、というのは完全に気分次第です。
気分次第ですが、今年の目標としてはやはり長編です。
毎年言ってますが、長編です。

「わたしは長編小説を書かなければならない」
 ――「幽霊と短編小説」(2014年発表)

最近もずっと長編のプロットを詰めてました。
ずっと言ってる「放課後のタルトタタン(仮)」ではなく、「ヘヴン・アンド・アース(仮)」、「小夜子のために(仮)」、「Leviathan(仮)」、「ガイ・フォークスは微笑まない(仮)」などです。

「ヘヴン・アンド・アース(仮)」は命を助けた少女に「妹の恋人だったあなたを許さない」と身に覚えのない因縁をつけられるボーイミーツガール。そして暗黒青春伝奇幻想ハードボイルドミステリです。

「小夜子のために(仮)」は久しぶりに再会した年下の幼馴染が心に傷を負い、引きこもりと化していたのだけれど、一方で、近所で起こる動物虐待事件の犯人として彼女が目撃されていた――という世紀末暗黒青春伝奇幻想百合SFサイコハードボイルドミステリです。

「Leviathan(仮)」はキリスト教学校に伝わる悪魔憑きの怪談と、それを元にしたゲームを巡る暗黒青春伝奇幻想百合ハードボイルドミステリです。

「ガイ・フォークスは微笑まない(仮)」は中学受検で合否が分かれてしまった幼馴染と高等部で再会するも、高入組と中入組との間には高い高い壁があり――という暗黒青春百合ミステリです。

なんでしょうね。
暗黒青春伝奇幻想ハードボイルドミステリにハマってるのでしょうか。
なお、「放課後のタルトタタン(仮)」は学園伝奇幻想ミステリです。
一番長い話なのに一番シンプルだ……

伝奇ってほとんど読んだことないんですけど、地理とか歴史とか民俗学が好きなのでどうしてもそういう設定になってくるのです。
残りの「暗黒青春幻想ハードボイルドミステリ」は単に好きな部分です。

ときに、長編って、他の方はどこまで考えて書くんでしょうね。
わたしなんかは話数まで決めてもまだ書きはじめられないくらい細かいとこまで考えたいタイプなんですけど――
むずかしいですよね。
俯瞰で、何を書くか決めていくのって。

大筋を決めたら後は書きながら決める――
生起されたキャラクターと、作品世界にある程度展開をゆだねるという書き方は合理的なのでしょうし、そのくらいゆったりとした書き方もしてみたいとは思うのですが、やはり長編の経験がないので不安になってしまうのですよね。

プロットの時点では、トリックとか設定はあっても、キャラクターというか世界像というか、そういうものが細部までくっきりと見えるわけではないわけです。
言ってしまえば、すごくデジタル。
0か1か、黒か白かっていう情報しかない。
でも小説っていうのはグラデーションじゃないですか。
0か1かの情報じゃなくて、全体として立ち上がってくるキャラだったり世界像が感動を与えるわけです。

それをプロットの時点でどこまで考えるか。
どこまで解像度を上げてくか。

長編のプロットって、やってて一度煮詰まるポイントがあるんですよ。
一度じゃなく、二度三度ってこともありますけど――
どこかっていうと、大筋が整った後。
最初から最後まで見通しが立ったとき、です。

最低限の伏線とストーリー上の起伏があり、意味が通る話にはなった。
じゃあ、後は何を加えればいいのか?
ここですよね。
ここが短編と勝手が違う。

いちおう、その時点で最初から最後まで1話ずつ流れを考えていくんですけど、どうにも薄くなりがちなんですよね。
ストーリーを進める以上の役割がないエピソードだらけになってくるわけです。
自分が読者だったら退屈だろうなって部分。

端的に言えば、話がこぢんまりとしちゃってるんですね。
長編ならではの豊かさがない。
単にストーリーの段取りを丁寧にやってるだけで、ネタの見せ方としては短編の方が切れ味いいよねとなってくる。

じゃあ、どうするかっていうと、連想ゲームになってくるんですよ。
もう一度、全体を見渡して、追加できる要素がないか考える。
それを今回やったわけです。

で、付け足されたのが「伝奇」とか「SF」の要素。
どの話も、もともと幻想性がある構想ではあるのですけど、それを説明する論理というのを考えたわけです。
やりすぎると興醒めなんですが、不条理や無意味、混沌を描くにはまず論理を築いて壊すのが効果的なので。
その論理としての、伝奇、SF。

わたしは基本的に現代ものの書き手ですし、ファンタジーが書きたいわけでもないのですけど、現実にも宗教やスピリチュアリズムを信じる人たちはいて、まだ解明されていない世界の神秘もたくさんあるわけです。
それも確かな現実で、リアルなんです。

現代ドラマの論理では説明できない何か。
そういう要素を取り込むことで、長編にふさわしい豊かさを得られるのではないかなと。

もちろん、ミステリでもあるので、うまいこと折り合いはつけていかないといけないのですけどね。
主題上の必然もほしいところです。

わたしが地理や歴史、民俗学、あるいは地学、生物学に惹かれるのは、たぶん、自分がいま生きる世界――つまり現代はなぜ現代なのか、むかしと何が違うのか、なぜ変わったのか、なぜ自分はここにいるのかっていうのを説明してくれる分野だからじゃないかなと思うのです。

わたしが書くのは、「君と僕」ならぬ「わたしと世界」の話です。
世界を説明する論理、学問を取り込むことで主題を深められるのではないかなと。
もちろん、知識だけではなく想像も重要になってきます。
蘊蓄本が書きたいわけじゃないですから。
読んで、世の中の見え方が変わるような、想像の種になるような、そういう話が書きたいものです。

そんなわけで長編を準備中です。
短編も気が向いたものから手を付けていきたいところ。

2件のコメント

  • 今回カクコンに参加した見習い天使ですが、私にしては早い方だったんですよ。構想から脱稿まで2か月半で12万字でしたから。よく書ききったなあ、と思ってます。短期間にがーっと書いたんでテンションが終始一定だったのはよかったと思いますが、ちょっとしばらくは長編書く気にならないですねー。3本同時連載でカクコン出してる人とか信じられないです。

    ちなみに見習い天使、構想段階ではこんな感じでした。

    起 見習い天使が現れる 2万字
    承 見習い天使の仕事が悪魔退治だと分かる 3万字
    転 実は見習い天使は実在の人物だった 2万字
    結 見習い天使、ラスボスを倒す 3万字

    これだけの構想で書いちゃいました。笑
    これにプロローグ、エピローグ、幕間で天上界のやり取りを三人称視点で加えて12万字。細かい設定は書きながら詰めたところが多かったです。一話4000字で構想していたんですが、結局各話5000字超えてましたねー。

    何が言いたいかというと戸松さんに読んでもらえて嬉しかったです。ありがとうございました。
  • >>ゆうすけさん

    2ヶ月半というと要項が発表されたくらいからってことになるんですかね。
    十分速いと思うのですが、こっちの感覚が狂うような速筆の人もいますね、たしかに。

    見習い天使は確かにそういう感じで起承転結になってるなとか思ってました。
    カクコンはいつも参考にするつもりで読むので、この話数、文字数までにこういう要素が出てきて――とかメモしてるんです(笑)
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