短編小説「ハクチョウ」を投稿しました。またも蔵出しです。といっても、これは別所でも掲載しているのですが。
この前の記事では「書簡体・告白体ばかり書いていた」と述べましたが、これは三人称です。たぶん、はじめて書いたのがこれなんじゃないでしょうか。文章としてはマーガレット・ミラーの影響が強いです。この頃はあんまり引き算的なことを考えてなくて、伝えたいことはだいたい全部書いちゃってますね。ちょっといやらしいくらいです。
そもそも、「犯罪が暴く家庭の不和とその崩壊」というモチーフがすでにミラーです。ディスコミュニケーション。機能不全家族。聞いてるだけでワクワクしてくるような響きですよね。最近はこういう大人びた作品を書く機会が少なくなってしまったのですが、機会があればまた挑戦してみたいものです。
ちなみに、この作品はわたしが子供の頃に起こったある事件をモデルとしています。夫婦のやり取りこそ創作ですが、バックグラウンドはわりとそのままで「こういうの書いてもいいのかなあ」と悩みながら書き上げた記憶があります。ぼかした書き方をしてるのでギリギリセーフかなとは思うのですが……