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「your book ver.0.0」投稿

「your book ver.0.0」を投稿しました。四年前の文フリ東京で頒布された同人誌「第七文芸 一号」に寄稿した作品のプロトタイプとなります。設定こそ共通してますが、話はまったく別物なので、同人誌の方もチェックしていただければ幸いです(まだ在庫があったはず)。

この前の「わたしがこれから出会う鳥」がそうだったように、ここにはカクヨム登録前に書いた作品も非定期にアップしているのですが、こうやって並べてみるとパターンが限られてきますね。「心の重さ」「膝枕変奏曲」に続いて、この「your book ver.0.0」。書簡体とか告白体が好きすぎではないかと。

短編は残りワンアクションで完結する状態ではじまるべき、というのがわたしの持論です。ポイントAからBへの移行。それをいかに鮮烈に描けるかが短編の勝負どころでしょう。ですから、そのAとBを決めたら、それ以外の部分は基本的にすべて過去として語られなければならない。

その意味で、「語り」の性格を前面に押し出した文体の方がやりやすいんですよね。そこで語られることは基本的にすべて過去になりますから。しかも、「なぜ語るのか」「なぜ手紙を書いたのか」ってとこで話が落としやすいんです。これが最後のワンアクションですね。

ちなみに、こういう語り口で書くときはいつも、ジョナサン・キャロルの短編「くたびれた天使」(『黒いカクテル』収録)を参考にしています。スタイリッシュでめちゃくちゃかっこいい短編なのでぜひ読んでほしいです。

とまれ、最近はほとんどそういう話を書いてませんね。「芽」の「故郷から」くらいじゃないでしょうか。後は基本的に、淡々とした文体で人生や日常の一断面を切り取ったゆるい話ばかり。

といってもワンアクション理論を忘れたわけじゃないんですよ。何らかの形でAとBのポイントを設けてますから。「喫茶カテドラル」で言えば、客が来て、帰る。これがAとBですよね。最初から最後まで行間を2行以上空けないのもその意識の表れです。掌編で迂闊にシーンを切ると、A、B以外のポイントが生まれてしまうので締まらないんです。

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